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移転見直し  普天間の固定化避けよ

 在沖縄米軍海兵隊約8千人のグアム移転計画の見直しを、日米政府がひそかに協議していることが分かった。
 グアム移転は普天間飛行場の名護市辺野古移設がセットにされているが、普天間移設を切り離すとしている。
 「世界一危険」と言われる普天間飛行場の現状を放置し固定化することにつながり、許されるものではない。
 見直すのなら、この際、沖縄県民の理解を得られず行き詰まっている辺野古移設こそ、再考すべきだ。
 見直しは、米国が打ち出したアジア太平洋地域重視の新国防戦略への転換に伴うものだ。米報道によると、グアム移転の海兵隊を4700人に減らし、3300人をハワイやフィリピン、オーストラリアの米軍拠点にローテーションで動かすという。
 軍備増強を続ける中国を見据え、戦力を分散して抑止を図る狙いのようだ。
 ほかにも事情がある。移転に向けたグアムでの環境影響評価が長引いて、施設整備が大幅に遅れ、おまけに普天間移設は見通しも立たない。これらを理由に、米議会は2012年会計年度予算から移転事業費を全額削除し、計画見直しを求めていたというわけだ。
 見直しは米側の都合なのだ。鳩山由紀夫元首相の「県外・国外」移転発言に懲りた民主党政権は、ひたすら日米合意の堅守を繰り返すが、沖縄の現状を踏まえて柔軟に構えていいはずだ。
 グアム移転は06年の在日米軍再編ロードマップで日米合意した。同時に移設費102億7千万ドルのうちの6割、60億9千万ドル(当時のレートで約7100億円)の日本負担も決まった。
 米国側との新たな協議では、この負担の見直しも取り上げたい。グアム以外への移転費負担を求められる懸念もあるようだが、日本は復興などで厳しい財政であることを説明すべきだ。
 玄葉光一郎外相は「柔軟性を持って協議している」と述べる一方で、普天間の移設先は「辺野古が最善」と現行計画を変える考えがないことを強調している。
 これまで政府は、グアム移転と辺野古移設、それに嘉手納基地以南の米軍6施設の返還―を一つの「パッケージ」にして、沖縄に辺野古移設への理解を求めてきた。
 しかし、米側の状況は大きく変わってきている。米軍6施設の返還も見直すとしている。
 政府の使命は、沖縄の過重な負担を取り除いていくことにあるはずだ。
 見直し協議では「辺野古は最善」とかたくなにならず、辺野古移設以外の道を探るべきなのだ。

[京都新聞 2012年02月05日掲載]

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