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眞子さま婚約へ  「女性宮家」巡る論議を

 秋篠宮家の長女眞子さまのご婚約が内定した。大学時代の同級生だった小室圭さんとの5年間の交際を実らせた。
 眞子さまは天皇、皇后両陛下にとって初孫であり、両陛下もさぞお喜びであろう。朗報に接し、心から祝福したい。ただ慶事とはいえ女性皇族が皇籍離脱する「皇室の先細り」という現実も直視せざるを得ない。皇室制度が抱える課題を総合的に考える好機でもある。
 眞子さまは、国際基督教大(ICU)に皇族として初めて進学し、卒業後は英国留学で修士号を取得。東大総合研究博物館特任研究員を務め、皇室の一員として各種団体の名誉総裁就任や国際親善など公務にも取り組んできた。
 小室さんは、一橋大大学院に通う傍ら、東京都内の法律事務所に勤務。眞子さまとは友人を介して知り合い、秋篠宮ご夫妻も公認の仲だという。最初の出会いから歳月をかけて理解を深め、愛情を育まれてきたのだろう。
 婚約内定がほほ笑ましく映るのは、皇室の伝統や慣例に縛られずに自然体で互いの心が通い合ったかに見えるからだ。温かで朗らかな家庭を築いてもらいたい。
 昨年夏以降、天皇退位を巡って皇室のあり方が注視される。
 皇室典範は、皇位継承者を父方に天皇を持つ男系男子の皇族に限定し、女性皇族が結婚すれば皇室を離れると定める。天皇陛下を支える皇族は現在、皇后さまと皇太子家ら計18人で、うち女性は14人。女性皇族の慶事は2014年の高円宮家の次女千家典子さん以来だが、現制度の下で今後、女性皇族の結婚が相次げば、皇室活動に支障をきたしかねない。
 国会では近く天皇陛下の退位を可能にする特例法案の審議が始まる。皇族減少への対応として結婚後も女性皇族が皇室に残る「女性宮家」の創設も焦点と言える。
 衆参両院の正副議長がまとめた国会見解は、「女性宮家」創設にも触れた。だが女性天皇や女系天皇の誕生につながるとして反対論が根強い。法案の付帯決議に盛り込むかどうかで、与野党が対立する。
 果たして男系継承だけで皇位を維持できるのか。皇室を安定的なものにするには、こうした論議を避けて通れない。政府には迅速に対応する責任がある。
 眞子さまの正式な婚約発表から挙式までさまざまな儀式が予定され、国民の関心が皇室に集まるに違いない。国民一人一人が新しい時代にふさわしい皇室のあり方を考えるきっかけとしたい。

[京都新聞 2017年05月18日掲載]

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