出版案内
福祉事業団

医療で結ぶベトナムとの縁 滋賀医大、現地国立病院と交流20年

チョー・ライ病院で現地の医師とともに手術に当たる浅井教授(左から4人目)=滋賀医科大提供
チョー・ライ病院で現地の医師とともに手術に当たる浅井教授(左から4人目)=滋賀医科大提供

 滋賀医科大(大津市)が、ベトナムの国立チョーライ病院と20年近くにわたり、学術交流を続けている。心臓血管外科の医師が同病院を訪れて難易度の高い手術をし、現地の医師を指導しているほか、看護師や放射線技師も現地で学会発表や技術交流を行っている。3月には、国際医療に関心のある学生12人が同国にスタディーツアーに出かけ、ベトナム戦争の枯れ葉剤の影響とみられる結合双生児として生まれたグエン・ドクさんとも面会する。学生たちは「戦争の影響が残るベトナムの医療の現状を学び、医療人として命の尊厳を考えたい」と話す。

 チョーライ病院はホーチミン市にある同国南部の拠点病院で、年間の外来患者数が約100万人にのぼる。1998年、滋賀医科大が同病院の放射線技師を研修のために受け入れたのをきっかけに交流が始まり、2006年には正式に学術交流協定を結んだ。

 10年には、心臓のバイパス手術の講師を探していた同病院の依頼を受け、浅井徹教授(55)が毎年、若手医師を伴ってベトナムを訪れ、10~15例ほどの手術を行うようになった。複雑弁膜症手術や胸部大動脈解離などの難しい手術もあり、浅井教授は「症例数が多く、われわれにとっても臨床経験を積む貴重な機会になっている。なんとか助けたい一心で治療に当たっている」と話す。今年も3月上旬の1週間、8度目となる訪問で執刀治療する予定。浅井教授は「顔の見える関係で現地に乗り込み、治療に当たるのは滋賀医科大の特長で、日本の大学ではなかったこと」と意義を語る。

 同大学はベトナム人留学生も受け入れており、現在7人が大学院で学んでいる。その存在が、日本の学生たちのスタディーツアーにもつながった。今回中心となるのは国際医療保健サークル「TUKTUK」のメンバー。副部長の3年齋藤勝則さん(41)=草津市=は「学内の留学生と友人になったことがきっかけでベトナムを訪問先に選んだ。面会予定のドクさんは戦争の影響を考える上でシンボル的な存在。医療人として生命倫理観を高く持つためにも現地で見識を深めたい」と意欲を見せる。

【 2017年02月24日 16時50分 】

ニュース写真

  • チョー・ライ病院で現地の医師とともに手術に当たる浅井教授(左から4人目)=滋賀医科大提供
京都新聞デジタル版のご案内

    国際のニュース

      政治・社会

      前原氏、地元・京都で勝利誓う 民進代表選へ決起集会

      20170817000163

       民進党代表選(21日告示、9月1日投開票)に立候補を表明している前原誠司元外相(衆院京..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      アルペン、ヒルシャー左足首骨折
      史上初のW杯総合6連覇

      20170818000004

       オーストリア・スキー連盟は17日、アルペンスキーのワールドカップ(W杯)で昨季史上初の..... [ 記事へ ]

      経済

      女性活躍の職場へ研修拠点 京都に開設、人事制度で提言も

      20170817000158

       女性社員を活用する職場環境の整備や能力開発の方策を学ぶ研修スペース「京都ウィメンズベー..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      「船渡御」夕暮れの川ゆったり 大津・建部大社の船幸祭

      20170817000167

       大津三大祭りの一つ、建部大社(大津市神領1丁目)の船幸祭(せんこうさい)は17日、本祭..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      自転車危険個所、マップに表示 立命大でアプリ作成

      20170815000156

       立命館大の研究者などでつくるプロジェクトがキャンパス周辺での自転車事故を防ごうと、イン..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      iPS細胞で不妊マウスに子 京大など成功、染色体正常に

      20170817000171

       通常は2本の性染色体が3本ある不妊マウスから正常なiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り..... [ 記事へ ]