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戦時中の独仏、日本でも火花 京大調査、隣接施設で敵対

フランスの外交文書館で見つかった1930年代の関西日仏学館(奥)の写真。手前はドイツ文化研究所で、現在は京大の施設が立っている=アンスティチュ・フランセ関西提供
フランスの外交文書館で見つかった1930年代の関西日仏学館(奥)の写真。手前はドイツ文化研究所で、現在は京大の施設が立っている=アンスティチュ・フランセ関西提供

 戦前にフランス政府による語学学校として日本で初めて京都市内に設立された「関西日仏学館」(現アンスティチュ・フランセ関西)が第2次世界大戦に際し、隣接する「ドイツ文化研究所」と火花を散らしていた様子が、京都大人文科学研究所の調査で明らかになった。敵対する本国の緊張関係を反映し、ドイツ文化研が展覧会中止を要求する一方、フランス側も運営面で張り合おうとしていた。立木康介准教授は「表面上は良好な関係を保ちながら、水面下では独仏の文化宣伝活動が京都でも激しさを増していたことが分かる」と話す。

 調査は「アンスティチュ-」(左京区)が創立90周年を今月迎えるのに合わせ、3年前から行われた。資料の多くが戦時中に廃棄されたため、フランスの外交文書館が保管する事業報告書を分析した。

 調査によると、フランスがドイツの占領下に置かれていた41年1月、関西日仏学館で開かれた展覧会「医学の発展におけるフランスの貢献」に対し、ドイツ文化研が「今のフランスにふさわしくない」と当局に中止を求めたことが書かれていた。一方、開戦前の38年7月16日付で駐日フランス大使が本国の外務大臣に宛てた書簡では、ナチス党の元極東担当部長で知日派の人物がドイツ文化研の所長に就くことが報告され、関西日仏学館として「ライバル」への優位性を維持するために次期館長に適した人材を注文している。

 調査の成果は、25日にアンスティチュ・フランセ関西で始まる創立90年記念の展覧会で紹介する。28日には立木准教授ら研究者が歴史を振り返るシンポジウムも開く。いずれも入場無料。問い合わせは「アンスティチュ-」075(761)2105。

 ■関西日仏学館

 1927年、詩人でもあった駐日フランス大使ポール・クローデルの提唱で九条山(京都市山科区)に設立。36年に現在の左京区東大路通東一条上ルに移転。戦時中も講演会やコンサートを続けた。45年4月に軍需工場として接収され、教職員が投獄されたが、終戦後に建物が返還された。2012年に現名称に変更した。ドイツ文化研究所は戦後に西洋文化研究所に改組され、のちに京大人文研所属になった。

【 2017年10月09日 21時00分 】

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