先輩社員からのメッセージ

地方こそ最前線、走り回る日々


北部総局 井上真央
奈良県出身 2017年入社
北部総局 井上真央

 「生活の中にある課題や人の思いを記事にしたい」。そう思い、業界紙記者から転職した。初任地は京都府北部にある人口約7万9千人のまち、福知山市。「京都=京都市」だった私にとって馴染みがない土地だったが、取材に走り回る毎日が新鮮で楽しい。

 取材対象は学校や地域の催しなどさまざま。事件や火事が起きれば現場に向かう。山間部で車を運転中に野生のシカに遭遇したり、知り合った方から新鮮な野菜をいただいたり、田舎ならではの体験にも恵まれている。

 福知山で働き始めて思うのは、地方こそ現代日本の最前線だということだ。

 例えば、JR駅近くの市街地で老舗が並ぶ商店街はシャッターが目立ち人通りも少ない。一方で国道沿いには、全国チェーンの飲食店や衣料品店が並び、買い物客でにぎわう。商店街では、都市部からの移住者らが定期的にマーケットを開き、活性化を目指す動きもある。過疎高齢化や学校統廃合、後継者不足に悩む伝統産業、獣害による農業被害…。教科書で学んだ課題を目の当たりにする日々だ。

 衆議院選投開票日だった2017年10月22日の深夜、台風21号が府北部を直撃した。翌朝、長靴で駆け付けた由良川支流沿いの集落は泥水に浸っていた。初めて見る浸水被害に驚きながら住民に話を聞くと、「もう慣れっこ」「以前に比べるとマシだ」。長年水害と隣合わせに暮らしてきた地域のリアルな声だった。

 教科書と違うのは、その課題と向き合い生きる人が目の前にいることだ。どうしたら暮らしがより良くなるか。声を拾い、伝えるべきことは何か。台風被害を受けて、先輩記者たちと被害状況や治水対策の課題をまとめ、記事にした。

 赴任前、先輩が「初任地は第2のふるさと」と話すのを聞いて、うらやましく思っていた。生活の場が仕事場であり、ふるさとにもなる。地方紙記者は不思議で面白い仕事だと思う。

 「今日の京都新聞、読んだか」。原稿を書こうと入った喫茶店で、地元のおじいさん2人が記事を話題にしていた。読んでくれている人がいる。取材で悩むことも多いけど、頑張ろう。そう思える瞬間だ。


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