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 平成18(2006)年も残りわずか。今年の漢字「命」に象徴されるように、幼い生命にまつわる事件が相次いだ1年でした。京都、滋賀での出来事を振り返る、京都新聞社が選んだ年末恒例「京滋10大ニュース」をお届けします。(年齢は選挙・判決当日現在)


 (1)湖国の命運 嘉田新知事に

 7月2日に投開票された滋賀県知事選で、大学教授の嘉田由紀子氏(56)が現職の国松善次氏らを破って初当選した。京滋では初、全国では5人目の女性知事が誕生した。

 嘉田知事は「もったいない」を合言葉に、栗東市で県が推進していた新幹線新駅の凍結や県内のダム計画の見直しなどを選挙公約(マニフェスト)に掲げ、無党派層から幅広い支持を得た。

 しかし、就任直後に、公約に掲げた県職員削減や全小中学校での35人学級実現などの達成を「困難」と表明。新駅問題をめぐっても自民党系の最大会派から厳しく批判されるなど、難しい県政運営を強いられた。

 知事選では、国松氏に「相乗り」した自民、民主、公明の各党が敗北した形となり、首長選での政党支援の在り方も問われた。


 (2)送迎の母 園児を殺害

 長浜市相撲町で2月17日朝、グループ登園中の市立神照幼稚園の園児2人が付き添いの同級生の母親に刺殺され、遺族や地域住民らは怒りと深い悲しみに包まれた。

 殺人容疑などで逮捕されたのは、谷口充恵被告(34)=中国名・鄭永善=。滋賀県警の調べに対し、「自分の娘が周りとなじめず、このままではだめになると思い、殺した」と容疑を認めた。しかし、谷口被告は起訴後、否認に転じた。詳しい動機の究明は、来年2月から始まる公判へ移る。

 事件は、保護者が交代で園児を送迎する「グループ通園」中に起きた。長浜市はこの慣例を見直し、9月から送迎バスの運行を始めた。全国で子どもを狙った事件が相次ぐなか、保護者自身が幼い命を奪った事件だけに、どのように子どもの安全を守るか、議論が高まった。


 (3)新駅問題、議論が紛糾

 7月に嘉田由紀子知事が就任したことで、栗東市で計画されている新幹線新駅問題をめぐって、「推進」か「凍結」か議論が巻き起こった。

 9月には県、栗東市、周辺市などでつくる駅設置促進協議会が開かれ、今後、正副会長会議で凍結を含めた幅広い議論をすることを確認した。

 その後、10月に県が従来の経済波及効果を下方修正した再検証結果を正副会長会議や県議会などに提示し、新駅効果の有効性について県議会などで意見が分かれた。12月には、JR東海が、来年3月末までに「推進」か「凍結」か地元合意できなければ、新駅工事を事実上凍結することを明言した。

 一方、栗東市が新駅の線路の仮線工事に充てるとしていた43億円の起債差し止め判決が大津地裁で出され、現在、大阪高裁で係争中だ。


 (4)滋賀県勢初、野洲が全国V 高校サッカー

 東京・国立競技場で1月9日に行われた第84回全国高校サッカー選手権の決勝で、初めて決勝に進んだ野洲が延長戦の末、連覇を狙った鹿児島実(鹿児島)を2―1で下し、滋賀県勢初の栄冠を手中にした。

 U―19(19歳以下)日本代表のFW青木孝太選手、U―21日本代表のMF乾貴士選手らの卓越した個人技を生かしたパスサッカーで快進撃を続けた。2回戦の四日市中央工(三重)戦は3―2で雨中のシーソーゲームを制し、準々決勝の大阪朝鮮(大阪)戦はPK戦をものにするなど粘り強さも持ち合わせた。

 滋賀勢として3度目の進出となった決勝は、同点で迎えた延長後半7分、自陣から次々とパスをつないで相手守備を崩し、野洲サッカーの集大成のようなゴールで決勝点を挙げた。


 (5)20年の願い結実 琵琶湖環状線開業 JR北陸線・湖西線直流化

 滋賀県北部のJR北陸線、湖西線の電化方式が10月21日、交流から東海道線などと同じ直流に変わり、県内のJRはすべて直流となって「琵琶湖環状線」が開業した。湖北・湖西地方が京阪神と新快速電車で直接結ばれ、両地域間の往来の利便性も向上した。  北陸線長浜駅と湖西線近江今津駅ではそれぞれ出発式が行われた。長浜駅では、山崎正夫JR西日本社長が「湖北、湖西地方の観光、通勤、通学の輸送増強に寄与したい」とあいさつ。テープカットやくす玉が割られるなか、湖北地方に初めて乗り入れる大阪発の新快速電車が、近江塩津方面に向けて発車した。

 高月町内で開かれた開業式典で琵琶湖環状線促進期成同盟会会長の嘉田由紀子滋賀県知事は「20年来の夢が実現した」とあいさつした。


 (6)合併で13市13町に

 湖国の市町合併は2006年も進み、1月1日に東近江市が能登川、蒲生両町を編入合併、3月20日には大津市と志賀町が合併した。県内の自治体は13市13町となった。

 大津市と志賀町の合併は1960年代からの懸案だったが、「平成の大合併」に合わせ2001年から協議を進めていた。歴史文化に恵まれた大津市に、比良山系やその前面に広がる琵琶湖など豊かな自然環境が加わった。人口も32万を超え、09年4月を目標に「中核市」の指定を目指すことになった。05年2月に八日市、永源寺、五個荘、愛東、湖東の1市4町が合併して誕生した東近江市は、新たな合併で県内で3番目に広い市となった。


 (7)国松栗東市長が再選

 任期満了に伴う栗東市長選が10月22日に投開票され、現職の国松正一氏(59)が接戦の末、田村隆光氏(49)と杉田聡司氏(58)の両新人候補を抑え再選を果たした。

 新幹線新駅設置が最大の争点となり、推進を主張する国松氏に対して、田村氏は凍結、杉田氏は中止を訴え、7月の滋賀県知事選と同じ構図になった。自民と公明は国松氏、民主と社民は田村氏、共産は杉田氏を推薦、支持し、大物国会議員も続々と応援に駆けつけた。嘉田由紀子知事は田村氏を「声援」するなど激しい選挙戦が展開された。

 国松氏は再選されたものの、得票率は4割どまり。厳しい市政運営を強いられることになった。


 (8)処分場誘致で混乱

 滋賀県余呉町の畑野佐久郎町長が9月議会で、昨年いったんは断念していた原子力発電の使用済み核燃料の再処理に伴って生じる高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定のための「文献調査」への応募を再検討したいと表明した。

 畑野町長は資源エネルギー庁の担当者らも招き、集落単位などで住民説明会を10回以上開催して、住民らに理解を求めた。応募に前向きな住民もいたが、多くの住民が反対署名を寄せるなど、住民の「核アレルギー」解消までには至らなかった。

 町議会も「短期間に結論をだすべきでない」との声が多く、畑野町長は12月6日、再度断念することを明らかにした。


 (9)豊郷町長の敗訴確定

 豊郷町の豊郷小旧校舎解体問題で、最高裁は6月8日、住民らが訴えていた大野和三郎町長の指示による校舎損壊を違法と認め、大野町長に350万円の支払いを命じた二審の大阪高裁判決が確定した。大野町長は6月14日、町に全額を納付した。

 確定した判決によると、大野町長は2002年12月、米国人の建築家ヴォーリズが設計した豊郷小旧校舎の大津地裁による解体差し止め仮処分を無視し、業者に窓ガラスなどを損壊させた。

 高裁判決は、「町長に校舎の管理権限はない」などと指摘し、賠償額を一審の大津地裁の算定額の2倍の350万円としていた。


 (10)田原道跡を初確認

 大津市の関津遺跡(同市関津一丁目)で8世紀半ばから9世紀半ば(奈良時代−平安時代前期)にかけての大規模な道路跡=写真=が見つかった、と滋賀県教委が10月5日発表した。道幅は約18メートルと都の大路に匹敵する大きさで、県教委は、恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱(764年)の舞台になったとされる田原道の跡ではないかとみている。田原道の遺構が確認されたのは初めて。

 道路跡は側溝を含めて幅約18メートル。側溝は幅約1−3メートル、深さ10−30センチで、南北に約250メートル延びていた。道に沿うように約30棟の建物群が確認された。県教委は、規模などから国家が建設し、管理した官道ではないかとみている。

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