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 平成19(2007)年を象徴する漢字は「偽」が選ばれました。「食品」をはじめ「年金」「政治」などの偽りが次々と明らかになりました。そんな1年の京都・滋賀の出来事を、京都新聞社が選んだ「10大ニュース」で振り返ります。(文中の年齢は事件・選挙・判決当日現在)


 (1)京都市が新景観政策施行

 歴史的な町並みや眺望の保全と再生を図る京都市の「新景観政策」が9月1日、施行された。市街地のほぼ全域で建築物の高さやデザインの規制を強化、大都市では例のない取り組みとなった。

 高さ規制は市街地の約3割で強化され、従前の5段階を6段階に再編、最も高い45メートルを31メートルに引き下げた。中心部の幹線道路沿いでも、10階程度のビルやマンションしか建たない。

 五山送り火を望む鴨川河川敷など、良好な眺望を保つ38カ所を「視点場」とし、阻害する建築物を規制する。屋外広告は、屋上設置や点滅照明が全面禁止となり、既存物件にも7年後の撤去を義務付けた。

 景観改善への効果が市民から期待される一方で、大きな影響を受ける建築、広告業界などの反発が続いている。


 (2)京大教授、皮膚から万能細胞

 京都大の山中伸弥教授らのグループが11月20日、人の皮膚から新しい万能細胞「iPS細胞」を作製することに世界で初めて成功したと発表した。病気やけがで傷んだ臓器や組織を万能細胞の利用で補う「再生医療」の実現に向け、画期的な成果で、世界から脚光を浴びた。

 山中教授は人の皮膚細胞にウイルスを使って特定の遺伝子を組み込み、培養することでiPS細胞を作製。培養条件を変えれば神経細胞や心筋細胞などに成長する。従来の万能細胞「ES細胞」と違い、拒絶反応や受精卵を使う倫理的な問題がないのが最大の利点だ。

 世界の研究者がiPS細胞の実用化にしのぎを削っており、日本政府も京都大に研究拠点を整備する方針だ。クローン人間につながる倫理問題や安全性など課題も多い。


 (3)統一地方選、参院選で民主躍進

 7月29日投開票の参院選で民主党が圧勝した勢いは、4人が立候補した京都選挙区(改選数2)でもみられた。同党前職の松井孝治氏(47)が50万1979票を獲得、大差のトップで再選された。自民党新人の西田昌司氏(48)が36万2274票で初当選した。

 4月8日投開票の統一地方選の京都府議選、京都市議選でも民主党は前進した。推薦を含む獲得議席は、府議選(定数62)で自民党25、民主党14、共産党11、公明党6、新政会2、無所属4。京都市議選(同69)は自民党23、共産党19、民主党13、公明党12、無所属2。各党が横ばいか微減の中で、民主党は府議、京都市議とも、それぞれ1議席増やした(その後、選挙違反に伴う繰り上げ当選で各1増)。


 (4)ウトロ問題 解決へ動く

 在日韓国・朝鮮人が多く住む宇治市伊勢田町ウトロ地区の住民が立ち退きを迫られていた問題が今秋、解決に向け大きく動き出した。

 住民側が地権者の不動産会社「西日本殖産」(大阪市)から同地区半分の土地約1万500平方メートルを5億円で買い取ることで合意、10月末に売買契約を結んだ。購入資金として韓国政府が30億ウォン(約3億6000万円)の支援策を打ち出したことが20年に及ぶ土地問題が解決に向かう大きな要因となった。

 こうした動きに対応し国土交通省、京都府、宇治市が12月5日、ウトロ地区のまちづくりを支援する「住環境改善検討協議会」を発足させた。戦時中の飛行場建設で地区が生まれ、長年、立ち退きの不安も抱えながら暮らしてきた住民にやっと安住への道が開けた。


 (5)任天堂、京滋初 1.5兆円企業へ

 大手ゲーム機メーカーの任天堂(京都市南区)は、10月25日の中間決算発表で2008年3月期の売上高予想を1兆5500億円に上方修正した。京都、滋賀の企業の売上高が1兆5000億円を突破するのは初めてで、これまで売上高が京滋でトップだった京セラを上回る見通しとなった。

 好調の要因は、携帯型ゲーム機のDS(ディーエス)の世界的な普及に加え、昨年12月発売の据え置き型ゲーム機のWii(ウィー)の売上高が伸びたためだ。

 岩田聡社長のテーマは「ゲーム人口の拡大」。DSでは脳を鍛えるソフトや読書ソフト、Wiiでは体を動かす簡単操作のコンセプトが幅広い年齢層に受け入れられた。今月発売のフィットネスソフトの販売も好調で、Wiiの普及期に入る来年も快進撃は続きそうだ。


 (6)家族・親族間の惨劇相次ぐ

 親族を狙ったり、子や親に手をかける殺人事件が京都でも相次いだ。一方的な思い込みなど理不尽な動機や、残忍な手段による犯行は社会に大きなショックを与えた。

 長岡京市で1月16日、無職松村恭造被告(26)が伯母(57)を、1週間後にも逃走中の神奈川県相模原市で大叔父(72)を相次いで殺害し、現金を奪ったとして、強盗殺人罪で起訴された。

 京都市伏見区では7月2日、無職尾子光明被告(42)が中学と高校生の13―16歳の子ども3人を殺害した後、自殺を図った。また京田辺市でも9月18日、16歳の専門学校生が就寝中の父親の府警巡査部長(45)をおので殺害した。


 (7)サンガ、2年ぶりJ1復帰

 サッカーJリーグ2部(J2)の京都サンガFCが12月8日、2年ぶりのJ1復帰を決めた。リーグ戦で3位となり、1部(J1)16位のサンフレッチェ広島との入れ替え戦に臨み、第1戦(5日)は2―1で先勝、8日の第2戦は0―0で引き分け、1勝1分けで昇格を決めた。サンガのJ1昇格は通算3度目。

 今季は「1年でのJ1復帰」を目標に、元日本代表のDF秋田豊選手、DF森岡隆三選手らを獲得する大型補強を行った。前半戦2位で折り返したが、後半戦に入り失速。10月に急きょ、美濃部直彦前監督から加藤久監督に交代し、終盤の失点癖を修正してチームの立て直しに成功した。


 (8)京都精華大生、刺殺される

 京都市左京区岩倉で1月15日夜、京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん(20)が、男に刃物で胸や背中などを刺されて殺害された。千葉さんは救急搬送中に「(犯人は)知らない男」と話しており、京都府警捜査本部(下鴨署)が捜査を続けている。

 府警によると、千葉さんは自転車で大学を出た直後に犯行に遭い、犯人も婦人用の自転車に乗っていた。通行トラブルから男が歩道や隣接する畑で千葉さんを追い回して殺害したとみられる。

 事件は12月14日から1年間、事件解決につながる情報提供者に懸賞金を出す警察庁の「捜査特別報奨金」制度の対象事件となっている。


 (9)丹後天橋立大江山国定公園が誕生

 府北部の丹後半島沿岸とブナ林が広がる世屋高原、大江山を含む「丹後天橋立大江山国定公園」が8月3日、誕生した。府内の地名を冠した初の国定公園であり、指定は全国でも17年ぶり。「世界遺産への弾みに」と地元は歓迎ムードに包まれた。

 福知山と舞鶴、宮津、京丹後、与謝野、伊根の6市町にまたがる計1万9000ヘクタール。世屋高原には近畿有数のブナ林や天然アユが遡(そ)上する宇川がある。大江山連峰は貴重な動植物の宝庫。「丹後王国」や「大江山の鬼伝説」など歴史や伝説も豊か。

 「集落を含む里山全体の指定は先駆的」といい、景観保全とともに、自然資源を活用した地域活性が期待されている。


 (10)「けいはんな」民事再生申請

 関西学研都市の第三セクター、株式会社「けいはんな」(京都府精華町、社長・立石義雄オムロン会長)が11月30日、民事再生法の適用を大阪地裁に申請、保全命令を受けた。京都府が出資する第三セクターの破たんは初めてで、負債総額は約109億円に上った。

 所有、運営する施設「けいはんなプラザ」(精華町)の建設に伴う借金が財務を圧迫、施設の利用も低迷し、多額の累積赤字を抱えて経営再建が課題になっていた。

 同社は来春をめどに再生計画をまとめる方針。15億円を出資する京都府など株主の減資や多額の債権放棄、京都府への同プラザの一部寄付などで調整を進めている。

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