「骨格」で隔たりも
妥協へ動き活発化
地球温暖化防止のための「京都議定書」の採択を目指し、京都市左京区の国立京都国際会館で開かれている地球温暖化防止京都会議は五日、前半の協議を終えた。温室効果ガスの削減目標や途上国の参加問題など、京都議定書の骨格にかかわる部分で、各国の主張の隔たりが残る。週明けの大詰めの閣僚級折衝を控え、各国の妥協に向けた動きが活発化している。(地球環境問題取材班)
途上国が成否のカギ握る?
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前半の日程を終え、交渉もいよいよ終盤に入った京都会議(国立京都国際会館)
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数値目標に温度差
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを、先進国は何年までに何%削減するのか。欧州連合(EU、一五%)、日本(原則五%)、米国(〇%)の間の距離はかなり遠い。しかし、EUを除く主要先進国が提示した削減案は〇―五%に収れんしている。焦点はEUと非EU先進国の溝をどう調整するかに絞られてきた。最終結論は八日以降の閣僚級会合まで持ち越される見込みだ。
EUバブル批判の的
欧州十五カ国を一つのまとまりの国とみる「EUバブル」をつくり、削減目標を掲げるEUは、先進各国から批判の集中砲火を浴びている。経済危機で排出量が自然減少している東欧を域内に含み、排出削減が容易だという特殊事情があるためだ。
日米は「域外の国は、一国ごとに削減に取り組まねばならない。バブルは不公平」「責任関係があいまい」と批判。EUバブル容認と引き換えに、域外の先進国がEUより低い削減目標を設定するのを認めるように圧力をかけている。
排出権取引ほぼ合意
数値目標をめぐるEUと非EU先進国の対立が激化する一方、削減方法をめぐる技術的な諸問題は、解決の方向に向かっている。
温室効果ガスの排出削減を、目標以上に達成できた先進国が、余った排出枠を他の先進国に売れる「排出権取引」は、ほぼ合意に達した。排出が自然減している東欧・旧ソ連諸国から排出権を買い取る狙いから、米国が強く求めていた制度だ。
高効率の発電所建設や植林など、途上国で排出削減につながるプロジェクトを資金援助した場合、削減分の一部を、援助した先進国の削減実績とみなす「共同実施」も、先進国間では合意に近づいている。
途上国問題が難関に
京都会議の最大の難関は、途上国の同意をどう取り付けるかだ。「途上国が将来も排出抑制義務を負うと約束しないなら、議定書にサインしない」とする米国の立場をくんで、EUを含む先進国は五日の本会議で「途上国も二〇一四年ごろには、温室効果ガスの抑制義務を負うべき」とする決議案を提案した。
しかし、途上国グループを代表するタンザニアは、即座に「途上国に義務を負わせるのは、これまでの合意を超える。ノーだ」と拒否。中国は「不可能な約束の押しつけ。EUバブルも認めない」と先進国を強く批判した。
水面下では、京都会議議長を務める大木浩環境庁長官が、途上国代表の部屋を一つひとつ訪ね、説得を続けている。共同実施や排出権取引を利用した途上国への資金提供メカニズムが、米国とブラジルを中心に検討され、一部の途上国は関心を示しているという。
米国代表団は記者会見で決議案に対する途上国の反発について「予想された反応」と余裕を見せた。
産油国から小島しょ国、大国の中国・インドまで、百三十カ国を超える多様な国々が集まる途上国グループの動向が、京都議定書交渉の成否を分けそうな情勢になっている。
▼各国の主張と協議状況(一覧表)
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