Kyoto Shimbun 1997.12.5 【UNFCCC-COP3/KYOTO】<インタビュー>
 各国代表に聞く  (4)

サウジアラビア環境保護庁総裁 
 ニザール・タウフィック氏

 石油減産の損失分
 先進国は保証せよ

 2010年に温室効果ガスの1990年比15%削減を掲げる途上国グループと同一歩調をとりながら先進国の排出削減の動きに神経をとがらせる産油国。世界最大の石油生産量を誇るサウジアラビアのタウフィック環境保護庁総裁は「温暖化対策によって石油消費が落ち込めば、産油国は大きな打撃を受ける。先進国は経済的損失を補償するべきだ」と訴える。


◆温暖化対策をどうとらえているのか。

 地球環境保全の重要性は認識している。しかし、サウジアラビアは石油の輸出に大きく依存しており、温暖化対策が、国内経済、ひいては国民の社会生活にまで被害を与えかねない。経済発展とのバランスが必要で、経済的損失が生じた場合、先進国は補償し、負担を分け合うべきだ。

◆途上国グループが提案する2010年に15%、2020年に35%の温室効果ガス削減目標を支持する狙いは。

 互いに立場の異なる点はあるが、温室効果ガス削減で途上国に社会、経済的損失が生じた場合に補てんする補償基金の創設について、利害関係が一致したためだ。先進国に対抗するには、途上国が一致団結して、立ち向かうしかない。

◆補償基金の創設について、先進国は反対しているが。

 妥協点を見い出せていない。すべての条約締約国が公平な立場に立つことができなければ、世界全体で温暖化対策に取り組む意味がない。補償基金の創設には、130カ国以上もの途上国が賛成しており、必ず実現すると信じている。

◆途上国の排出削減の義務化をどう考えるか。

 95年の第1回会議で、京都議定書では途上国に削減義務を課さないことが合意されており、問題外だ。そもそも温暖化の原因をつくったのは先進国。米国などは、排出削減を訴えながら、国内の石炭、石油産業を奨励するなど、矛盾している。まず、先進国が矛盾点をただしたうえで、排出削減を確実に実現することが重要だ。

◆先進国との間で、意見の相違が大きいが。

 われわれの主張を曲げるつもりはない。一国でも反対があれば、議定書採択のためのコンセンサス(総意)は成立しないと考える。日本には議長国として、一部の国の意見に左右されることなく、公正な立場でリーダーシップをとってもらいたい。


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