Kyoto Shimbun 1998.4.27

  
広がれ環境ネット
─<28>─

ユリカモメ保護基金

鳥がすみやすい鴨川に 

 ユリカモメが京都に現れるのは少し肌寒くなるころで、毎年10月下旬。はるか3千キロ北のカムチャッカ半島から琵琶湖に飛来したユリカモメは、5月上旬まで湖をねぐらにして、鴨川に毎日通ってくる。もともと京都にはおらず、初めて、鴨川で姿が確認されたのは1974年1月のことだ。

ユリカモメの保護と支援を呼びかける募金箱
(京都市北区・北大路商店街)      
 なぜ鴨川に来るようになったかは、はっきりと分かっていないが、「琵琶湖のエサでは足りず、鴨川に進出した」「鴨川で人々が与えるエサを求めて来る」などと言われている。

 5年前、鴨川に近い北区の北大路商店街振興組合(約70店)がユリカモメと仲良く暮らすための資金作りに、ユリカモメ保護基金を設立した。組合の有志や給餌(きゅうじ)ボランティアのほか、20年近く、ユリカモメにエサをやっていた「街のユリカモメ研究家」の故大槻史郎さんが参加。商店街各店のレジなどに募金箱を置き、お客さんに呼びかけている。

 メンバーは同基金発足翌月、記念イベントとして「すてき北大路」を開催。その後もリーフレットを作製したり、春と秋には鴨川の空き缶やごみを拾い、鳥が住みやすい環境づくりに努めている。ユリカモメやその仲間の解説ビデオを独自に編集、地元の小学校や図書館へ配付し、無料貸し出しも行っている。

 しかし、すっかり鴨川の冬の風物詩となっていたユリカモメも、ここ数年は飛来数が減少。全盛期に約8千羽確認されていたのに、今年同基金が実施した調査では、2,532羽に。昨年に比べても1,200羽以上減った。メンバーは今年も11月―3月の間、パンくずを手に鴨川で「誘致活動」を熱心に行った。

 川村周仁事務局長は「ユリカモメは街の真ん中の鴨川にやって来るだけに市民との距離も近い。なぜ数が減っているのか調査する研究を支援しながら、ユリカモメを守っていきたい」と話している。


 ユリカモメ保護基金 1993年、京都市北区の北大路商店街振興組合が中心となり、スタート。商店街の各店舗にユリカモメ募金箱を設け、今後の活動のために積み立てを続けている。現在76万円ほどで、目標は100万円。運営委員会のほか、学術顧問、給餌ボランティアなど約15人で活動を続ける。事務局は川村代表方 電話075(491)5918へ。


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