先月二十三日から五日間、ニューヨークで国連環境特別総会が開かれた。総会に超党派の国会議員団長としてNGO(非政府組織)参加した武村正義衆院議員に、総会の評価と今年十二月に京都市で開かれる地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)に向けての課題を聞いた。武村氏は地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出削減について「議長国の日本は早く具体的な数値目標を示すべきだ」と語った。
(聞き手・東京支社 水腰英樹)
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| 「日本は早く数値目標を示すべき」と語る武村氏
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国連環境特別総会に参加
武村衆院議員に聞く
―国連環境特別総会に参加しての印象は。
「総会には、さきがけ、自民、新進、民主の議員六人で参加した。会議では、最も重要な政治宣言をとりまとめることができず、失敗と言わざるをえない。CO2削減を巡っては、先進国間や先進国と途上国の間で意見の隔たりが大きく、京都会議に向けての交渉は困難が予想される」
―総会での日本政府の言動をどう見るか。
「橋本首相は、デンバー・サミットと総会で演説したが、CO2削減の具体的な数値目標に触れなかった。訪米前、首相に削減の方針をはっきり示すようお願いしたが、演説では明確な意思表示はなく、環境先進国としての日本のイメージを損ねたと思う」
―各国代表との会談の内容は。
「ティモシー・ワース米国務次官は、西暦二〇一〇年のCO2排出量を一九九〇年水準にする考えを示したが、気候変動枠組み条約で定めた二〇〇〇年に九〇年水準とする当初の目標から明らかに後退している。さらに、先進国だけでなく途上国も削減目標を定めるよう提案してきたが、まずは先進国がより厳しい目標を示すことが重要だ」
―その他の国の意見は。
「先進国間では、二〇一〇年に一五%削減を打ち出したEU(欧州連合)と数値目標を明確にしていない米国の対立が目立っている。米国に同調して数値を出さない日本に対し、途上国などから『残念だ』という指摘があった」
―日本が明確な数値目標を示せない原因は。
「経済界はCO2削減に『反対』というより、ある程度『やむをやえない』と考えている。しかし、経済へのマイナス効果を理由に強く反対する通産省が突出し、政府として意思統一できていない。過去の石油ショックを省エネで乗り越えたように、厳しい目標を定めても、新しい環境技術の開発で克服できる」
―炭素税など環境税の導入の必要性は。
「炭素税はCO2削減に有効だが、国際競争力を考えれば先進国が歩調を合わせて導入する必要がある。経済が安定している米国に対し、率先して炭素税を導入するよう申し入れた。また、環境問題が深刻な今、すべての人がごくわずかでも所得の一定割合を出す『環境のための地球市民税』を創設し、環境のための資金を集めるべきだ」
―地球温暖化防止京都会議に向けての課題は。
「会議を誘致して議長国を務める以上、ともかく日本はCO2削減の具体的な数値目標を早く明らかにすべきだ。京都会議までにはあと二回の準備会合もある。京都でCO2削減に関する国際合意が取りまとめられる可能性はまだ残っている」
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