Kyoto Shimbun 1997.9.1【UNFCCC-COP3/KYOTO】

 温暖化問題と報道

 八月八日に東京都内で中央環境審議会の地球温暖化問題に関する第一回の懇談会が開かれた。会議後に会見した近藤次郎中環審会長は取材陣に対し「少しでも大きな記事にしてほしい」と異例のお願いをした。背景には、温暖化問題への国民の認識が低いとの危機感がある。

 今年三月の環境庁の調査では、年末に京都市で開かれる地球温暖化防止京都会議を知っている人は一割にすぎなかった。デンバー・サミットなどで橋本首相が温暖化問題に言及し、少しは認識が深まったと見られるが、同庁の担当者は「まだ国民の関心は高いとはいえない」とみる。

 日本の一九九五年の二酸化炭素(CO2)排出量は九〇年に比べ八%増加した。企業活動による排出は横ばいだが、国民の生活に関連する民生部門や運輸部門では一六%と増加が著しい。原因は家電製品の増加やマイカーの大型化などで、排出削減には国民一人ひとりの努力が欠かせない。

 同懇談会は、京都会議で決まるCO2の削減目標を実現するための対策を検討する。なかでも注目されるのが炭素税の導入だ。ガソリンや電力に課税し、企業や個人のエネルギー消費に税負担をかけることでCO2排出削減を目指す。

 国民の認識が低いまま炭素税の制度論が先行しても、細川内閣が突然打ち出した「国民福祉税」のように、猛反発を受け導入の機会を失いかねない。

 温暖化問題は、細かい数値や外交上のかけひきなど、難解な記事になりがちだ。京都会議に向け、温暖化問題の深刻さと対策の必要性が理解できる報道を心掛けたい。
(東京支社 水腰英樹)



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