Kyoto Shimbun 1997.12.6 【UNFCCC-COP3/KYOTO】

 温室効果ガス抑制
 2014年以降、全締約国に義務化 NZが決議案
 途上国は猛反発  先進国と対立、紛糾

 京都市左京区の国立京都国際会館で開かれている地球温暖化防止京都会議は五日午後、本会議を再開した。ニュージーランドが二〇一四年以降に発展途上国を含む全締約国に温室効果ガス排出の抑制を約束させる決議案を提案したが、途上国側が即時撤回を求めるなど一斉に猛反発し紛糾した。

 大木浩議長(環境庁長官)は提案の受理を保留して議論を打ち切った。理事国十一カ国で協議して取り扱いを決める。

 ニュージーランドの提案は、「京都議定書」の採択を前提に、全締約国は「法的拘束力のある排出抑制の約束」に同意し「来年から討議を始め、二〇〇二年までに結論を出す」ことを決議するとしている。

 決議案に対し、途上国グループ代表のタンザニアは「途上国に対策を求める前に温暖化を引き起こした先進国が大幅削減を実行すべき。絶対に受け入れられない」と激しく抗議した。

 他の途上国も「二〇〇〇年に温室効果ガス排出量を九〇年水準に戻すという条約上の約束を先進国は果たすべき」(中国)、「先進国からの資金・技術援助が欠けている」(インド)と一斉に態度を硬化させ、複数の途上国が「京都会議の成功を危うくする」と提案の撤回を求めた。

 一方、先進国側は一様にニュージーランド提案に支持を表明。米国は「増大する途上国からの排出を抑えなければ温暖化を止められない。途上国も(先進国とは)異なる目標を約束すべき」と主張し、EUのルクセンブルクも「すべての国は条件を検討して目標を設定する」と支持した。

 日本代表は「排出抑制に向け、エネルギー効率を高めるための資金・技術援助の用意がある」と述べたが、途上国側は納得しなかった。

 途上国の取り扱いは、先進国の削減数値目標と並んで京都会議の大きな焦点。二年前の第一回締約国会議で「第三回会議の議定書では、途上国に新たな義務を課さない」ことで合意したが、米上院が今年七月「途上国の参加がなければ、議定書を批准しない」と決議し、米国は将来の排出抑制義務への道筋を付けるよう主張している。


 支援も約束

 途上国の将来の温暖化防止対策の強化を盛り込んだ先進国側の決議案は「二〇一四年以降に、途上国を含む全ての国に、法的拘束力のある温室効果ガス抑制の義務が課されることに合意する」と明記された。

 決議案はニュージランドが提案した。「次のステップ」と題して、気候変動対策には全ての締約国に「共通だが、差異のある責任がある」として「二〇一四年以降には全ての締約国が法的拘束力のある温室効果ガス抑制が課される」と明記した。削減でなく、抑制という文言を使っているのが特徴。

 同時に「一九九八年から二〇一〇年の間に先進国が途上国に行う資金的、技術的な協力の実態を見直す」と支援も約束している。

 途上国のガス削減義務問題では、先進国側は議定書でなく決議の形で将来の義務化を盛り込むことで合意していた。


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