Kyoto Shimbun 1997.12.7 【UNFCCC-COP3/KYOTO】

 5段階の温室効
 果ガス数値目標
10%減→5%増
 エストラーダ議長  先進国に非公式提示
 こう着状態  交渉進展狙う

 京都市左京区の国立京都国際会館で開催中の地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)で、全体委員会のラウル・エストラーダ議長が非公式に先進各国に具体的な温室効果ガスの削減数値目標を打診していたことが六日、明らかになった。議長案は一〇%減から五%増までの五段階の目標。欧州連合(EU)などは強く反発、実現の可能性は不透明だが、八日から始まる閣僚級折衝を前に、こう着状態の交渉の進展を図る狙いとみられる。

 エストラーダ議長は先進国を五つのグループに分け、各グループに異なる削減数値目標を非公式に打診。内訳は(1)一〇%削減(EU、東欧諸国、スイス)(2)五%削減(米国とカナダ)(3)二・五%削減(日本)(4)〇%(ノルウェー、アイスランド、ロシア、ウクライナ)(5)五%増加(オーストラリア)―となっている。

 条約事務局の関係者によると、エストラーダ議長は、数値目標案を先進各国の交渉担当者に個別に示し、受け入れられるかどうかを打診したという。しかし、先進国間の削減率に差を設ける方法が明確でなく、他の先進国より高い削減率を求められるEUや、〇%を主張する米国の反発は必至。議長案がそのまま受け入れられる可能性は低いとみられる。

 先進国が二酸化炭素などの温室効果ガスを何年までに何%削減するかは、京都会議の焦点。二〇一〇年までに一五%削減を主張するEUに対し、日本は五%を基本に省エネの進ちょく状況などから各国別の数値目標を算出する「差異化」を主張。さらに米国は〇%を提案し、対立している。

 エストラーダ議長の数値目標案について「憂慮する科学者の会」(米国)のアルデン・メイヤー政府対策部長は「各国の提案をもとに、数値をあてはめただけで、この案が通るとは思えない。しかし、各国の目標は方程式では決められず、最後は政治的決着しかないとのエストラーダ議長の認識は当たっている」と分析している。


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