Kyoto Shimbun 1997.12.7 【UNFCCC-COP3/KYOTO】

二酸化炭素の削減を訴える韓国のNGO(左京区の国立京都国際会館)

 さあヤマ場へ突入

 筋書きなき交渉といわれる地球温暖化防止京都会議は連日、京都市左京区の国立京都国際会館を舞台に夜遅くまで精力的な会合が続けられている。

 国の事情や思惑を秘め、交渉に当たる各国の政府代表団。その政府代表団に、環境NGO(非政府組織)や産業団体のNGOは、それぞれの立場から自分たちの主張を訴える。

 「あすの地球」のゆくえを決める温暖化防止の合意が、果して、京都で成立するのだろうか。折り返しを過ぎ、いよいよヤマ場に入る京都会議の主役たちの動きを追ってみた。

焦り  環境NGO
   主張、反映されず

 初日の一日から、華やかなパフォーマンスでメディアの注目を集めている環境NGOだが、実際には主張がなかなか反映されない会議に、メンバーらは焦りの色を強めている。

 世界的な環境NGOのグリーンピースは、各国の政府代表団に自分たちの主張を直接訴え「ロビー活動」を行う十三人のロビイストをそろえた。彼らは朝から深夜まで政府関係者にアタックを続けている。

 「私たちにとって何年もの下積みがあって、この京都の十日間がある。疲れている暇はない」と北欧担当のカラ・ヘストヴェットさんは意気込みをみせる。

しかし、各国の主張が対立し、温室効果ガスの大幅削減への手ごたえは得られていないのが実情だ。各ロビイストは終日、それぞれの拠点のNGOブースを出払ったまま。朝と夜のミーティングの時にしか戻れな

余裕  産業NGO
   着実にロビー活動

 経済団体の産業NGOは、環境NGOのような華々しさはないが、着実にロビー活動を進め、余裕の表情をのぞかせている。  会議期間中、環境NGOから「会議を台無しにする団体」の第一位と指摘された米国の石油・石炭関連の企業団体「地球気候連合」のデイビッド・バンクスさんは「われわれはパフォーマンスをするために来たのではない。毎日真剣な交渉をしている」と環境NGOを批判する。

 地球気候連合からは約五十人が京都会議に参加。二酸化炭素の大幅な排出削減に伴う経済への悪影響を分析した調査書を元に、「ゼロ削減」の米提案を守るよう各国の政府代表団に訴えてきた。これまでの京都会議の状況にゲイル・マックドナルド連合会長は「大いに満足している・ゴア米副大統領にも強い立場を守ってもらい、そのために議定書がまとまらなければ、それでいい」と話す。同連合では七日はロビー活動をやめ、京都観光などに繰り出す。

期待  政府代表団
   睡眠削り会議詰め

 京都会議の議長を務める大木浩環境庁長官は六日、各NGOの部屋を訪れ、これまでの労をねぎらった。「合意に向けた土台はでき上がった。後は、先進国と途上国が同じ目標に向かって、一歩ずつ前進できるよう八日からの閣僚級折衝に期待したい」と話した。

 フィリピン政府代表のフェルナンデス・マイトーニさんは、各国との会合や自国のミーティングなどで連日、朝から深夜まで会議詰めだった。「七日も会合があると思う。各国がこんなに努力しているのだから、最終的には何らかの合意に到達できる」と疲れた表情を見せない。

 オーストリア代表のキャルス・ラドンスキーさんは「一日四時間しか寝ておらず、睡眠時間は短くなっている。日本や米国の態度に不満はあるが、各国とも目標は同じはず」と京都会議の成功に期待を寄せている。


▼NEWS BACK NUMBER▼  ▲INDEX▲