Kyoto Shimbun 1997.12.8 【UNFCCC-COP3/KYOTO】

 閣僚級会合始まる
 米、柔軟な対応も  ゴア副大統領演説
 橋本首相  政治的決断促す

地球温暖化防止京都会議の閣僚級会合が開幕(左京区の国立京都国際会館)
 地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)の閣僚級会合が八日午前十時から、京都市左京区の国立京都国際会館で始まった。

 橋本竜太郎首相ら各国の首脳、閣僚は国の立場や意見の違いを乗り越えて地球の全て生物の未来をを切り拓(ひら)く合意の必要性を強調した。ゴア米副大統領は「この場で新しい提案を付け加えたい」と演説し、具体的な内容には踏み込まなかったが、京都議定書の合意に向けて柔軟な姿勢を示した。

 世界で初めて法的拘束力のある温室効果ガス削減義務を盛り込む京都議定書づくりは、残る三日間の各国首脳の政治決断にかかってきた。

 閣僚級会合は同会館メーンホールで行われ、閣僚ら約百六十カ国・地域の代表が出席した。開催国の日本の橋本首相は「温暖化問題は人類の生存にかかわる問題。事の本質、困難さに鑑み、具体的な成果を収めるには高度の政治判断が不可欠で、将来の世代に恥じない合意に向け、各国首脳の政治的決断を促したい。ここ京都で英知の結集を」と呼びかけた。

 この後、ゴア米副大統領は「われわれが京都に集まったこと自体、実質においても精神においても大きな勝利である。われわれの子孫に、文明と地球環境の長く永続的な関係のため集まったこの地とこの時、すなわち『京都の精神』を残さねばならない」と京都会議の重要性を演説。

 具体的な温室効果ガスの削減を巡っては、同副大統領は「六種類の全てのガスを対象に含み、二酸化炭素の吸収源も勘案、排出権取引、共同実施を削減達成のための手段として提供し、二〇一二年以降は一九九〇年水準より削減する」と演説した。

 途上国の将来の削減義務問題では「途上国は発展する権利があり、一つの鍵は新しい投資を呼び起こすことである。途上国の意味ある参加ができるなら、米国代表団に、より柔軟性を持って対応するように指示した」と述べた。

 また、日本政府代表団の小渕恵三外相は「ベルリン以来、積み上げてきた交渉に基づき、これからの三日間で解決を見いだすことが子孫への責務。すべての締約国が協調の精神で合意を」とあいさつ。堀内光雄通産相、プレスコット英副首相、ベドリツキー露環境長官、ボイネット仏環境相らも演説に立ち、温暖化対策の重要性を訴えた。

 一日からの京都会議は、実務レベルの全体委員会でエストラーダ議長が議定書案を作成。しかし、最大の焦点の先進国の温室効果ガスの削減数値目標は原則五%削減の日本、〇%の米国、一五%削減のEUに隔たりがあり、途上国の将来の排出削減・抑制問題を巡っても米国と途上国で意見が対立していた。

 京都会議は八、九の両日、本会議で閣僚級の代表が演説、十日に閉幕する。


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