Kyoto Shimbun 1997.12.10 【UNFCCC-COP3/KYOTO】

 エストラーダ議長提案に
 各国賛否両論

 先進国全体の排出量を二〇〇六年から五年の間に、一九九〇年比五%削減する、というエストラーダ議長の提案は、各国にさまざまな反応を引き起こし、賛否両論の波紋を描いた。日本や米国、欧州連合(EU)には戸惑いと難色が広がり、途上国からは交渉前進への期待が漏れていた。

 議長案の提出後、EUの各閣僚は、険しい表情で足早に非公式会合の部屋に向かった。EUは米国や日本と一律の削減率を求めてきたが、国別に差が設けられたため、スウェーデンのリンド環境相は「米国や日本、EUで削減率が一律でなく、EUが高くなっているのはおかしい」と首を横に振って見せた。

 また、ドイツのメルケル環境相は「ノーコメント」と固い表情。イギリスのガマー前環境相はプレスセンターで「議長案は行き詰まった交渉が合意に向かうようにとの打開策。しかし、排出量の多い米国や日本に低い削減率が認められ、削減努力をしている英国などEU諸国が高いのは納得できない」と憤りを表した。 米国のアイゼンスタット国務次官は固い表情で、日本、カナダ、ロシアなど六カ国が共同で削減目標に取り組む「アンブレラ(傘)方式」を発表。「交渉が微妙な段階」として質問を受け付けなかった。

 日本の政府筋は「日本が米国より削減幅が少ないのは評価できるが、〇・五%の差は小さい。EUバブルを認めているのかどうかもはっきりしない。今夜は徹夜かな」と話し、議長案の分析を急いでいた。

 一方、途上国グループは好意的な反応を示した。フィリピンのラビニャ団長は「(CO2吸収源の扱いなど)詰めなければならない問題もあるが、興味深い案だ。先進国の目標数値は妥当だろう」と話す。「議長の非常なご苦労に感謝したい」と、チリのビベヒプッシュ団長も、こう着状態打開へ期待を語った。


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