Kyoto Shimbun 1997.12.11

 温室効果ガス
 日、米、EUが合意
 途上国義務めぐり討議 対象ガスは6種

  全体委員会の再開前に各国代表
と会話を交わすエストラーダ議
長=中央右=(京都市左京区・
国立京都国際会館)     

 地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)で、日本、米国、欧州連合(EU)は十日、先進国全体で二〇〇八年から二〇一二年の五年間に温室効果ガスを一九九〇年比六%削減する議定書案に合意した。エストラーダ議長は十一日未明、全体委員会を再開し、先進国の温室効果ガス削減の数値目標を五%から六%に修正した議定書案を提出した。途上国側は排出抑制への「自発的参加」や排出権取引などに強く反対。京都会議は議定書の採択を巡って緊迫した最終局面を迎えている。採択されると、世界で初めて二酸化炭素などの排出削減が義務づけられる。

 エストラーダ議長は十一日午前一時前、主要先進国の合意を受けて、新しい数値目標を盛り込んだ議長案の修正案を全体委員会に提出した。

 議長修正案によると、対象ガスは二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素(基準年一九九〇年)、代替フロン三種(同一九九五年)の計六種類で、削減数値目標は、先進国全体で、九日提案の議長案より削減率を一%上げる六%とした。国別の数値は白紙になっているが、関係者の話では、日本六%、米国七%、EU八%の線が検討されている。

 また、森林の二酸化炭素吸収分を排出量から差し引く「ネット方式」や、温室効果ガスの排出枠を売買する排出権取引、排出達成超過分の繰り越し制度、途上国に資金援助と共同実施を行うクリーン開発メカニズムが盛り込まれた。

 途上国の排出抑制の問題を巡っては、途上国グループが抑制の義務化に反対して、議定書案の「自発的参加」の条文の削除を主張するとみられ、議定書案の決着は十一日まで、もつれ込んでいる。

 途上国は「先進国の数値目標が低すぎる」(エチオピア)などと議長修正案を批判し、修正案が採択できるかどうかは微妙な情勢だ。

 これまで、米国は中国やインドなどの途上国の排出量が二十一世紀前半に増加して先進国を上回るとして「地球規模の温暖化防止には途上国の参加が不可欠」と主張。途上国は「先進国は温室効果ガスを二〇〇〇年までに一九九〇年レベルに戻すという約束をしたのにわずかしか達成していない。われわれの排出は生存のためで、先進国が約束を守ることが先決」と反発し対立していた。

 途上国の排出抑制については、米国などが議定書とは別の決議や、ゆるやかな内容の条約修正案を検討し、途上国と対立していた。 気候変動枠組み条約は一九九二年に地球温暖化の防止を目的に調印され、約百七十カ国・一地域が加盟、今年の第三回締約国会議で法的拘束力のある議定書の採択を目指していた。


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