手ごたえと課題残し
京都会議は十日の最終日も徹夜となり、十一日を迎えた。会議では、各国政府の要人だけでなく、四千人近いNGOが活躍した。会場周辺だけでなく、京都市内を中心に百を超える関連イベントが催され、環境問題に取り組む人々が「CO2の排出量を削減し、地球の温暖化を防止しよう」と訴えた。NGOは、大きな手応えを得た一方で、今後の運動展開に、多くの課題が残っていることも感じたようだ。
京都市中京区で美容院を営む牧野裕子さん(38) 健康と環境汚染を考え、四年前から美容院のシャンプーを安全な液体せっけんに替えた。さらに、酢と湯だけを使う洗髪も始めた。パーマも基本的に扱わない。 環境NGOの京都地球村に所属する。会議の期間中は「女性たちのフェスティバル」など三つの講演会を運営した。「普段の生活の中でできる取り組みを伝えたかった。。生活や家庭の感覚を大切にして、政治、社会を動かしたい」。
気候フォーラム京都ネットの運営委員で だが、政府もNGOも一般市民へのアピールが不足していたようだと思っている。「これからはNGOの仲間内だけでなく、どうしたら行政や世界に影響を与えられるのかをもっと考えなければ」と考えている。
同志社大工学部三年渋谷栄里さん(21) 「明日から日常に戻るかと思うと寂しい。ここに居ると、毎日新鮮な発見があって、時を忘れます。ぎりぎりまでこの雰囲気を肌で感じ取りたい」 渋谷さんには、学生NGO「SCOP」の一員というもう一つの顔がある。パソコンの腕がかわれ、国連からバイトの声がかかった。「一つの目標に向かって突き進む一体感がすごく良かった。睡眠不足も気になりませんでした」と振り返る。
京都府八幡市の垣見宗吾さん(65) 垣見さんは今春、自宅の屋上に、約五百二十万円かけて一枚五十五ワットの太陽光パネル七十二枚を敷きつめ、節電に努めている。フォーラムでは、団地のベランダにも設置できる小規模パネルの普及を提言した。「京都会議で決まった削減目標を達成するためにも、今後は技術開発に力を尽くしてほしい」と、明るい未来を思い描く。
地球環境蘇生化実践協会事務局長の河千田健郎さん(54) 「会議の結果には不満です。けれども、運動をやめてはいけない。地球の未来を各国政府の代表だけに託すわけにはいかないのです」。NGOに転身する前は保険会社に勤め、東南アジアの木材を輸入する商社への融資を担当していた。「伐採現場を実際に見て、自分の仕事に耐えられなくなった」という。胸には「子供たちの未来を保証できますか」と呼びかけるチラシを張りつけていた。 |