|
地球の未来へ手をつなぐ… 夜を徹し 産みの苦しみ エ議長 疲れ隠し、指導力
会議最終日の十日を過ぎても夜通しの交渉が続いた地球温暖化防止京都会議は十一日、ようやく各国が合意し、悲願の京都議定書を採択することを決めた。世界に向けてメッセージを発信する。こんな中、会議議長の大木浩環境庁長官が国会日程のため、いったん東京に向かったが、環境NGOなどの抗議を受けて会場に引き返す失態を演じる一幕もあった。多くの産みの苦しみを乗り越えた京都議定書を生かすのは、私たちの、きょうからの行動にかかっている。 京都議定書案を審議する全体委員会は、十日の深夜から十一日午前十時過ぎまで約一時間の休憩を一度はさんだだけで、延々と続いた。全体委員会を切り回したエストラーダ議長は、冗談を交え、笑いを誘いながら、時折、「強引」と思えるほどの指導力を発揮し、各国の主張や思惑が入り乱れ混迷する議事を進めていった。 「おはようございます。こんばんは」。十一日未明に再開された全体委員会の冒頭、エストラーダ議長は議長修正案を各国の代表に配り、議事を再開した。 「排出権取引」に関する条項の審議で、いきなり各国の反対発言が相次ぎ、マラソン審議が始まった。発言を求めていない国の代表を指名する場面もあり、エストラーダ議長に疲労の色がのぞいた。 会期を過ぎても、各国の利害対立は解きほぐせず、全体委員会は長引き、早朝を迎えた。「私を殺さないでください」。エストラーダ議長は疲れを押し隠してユーモアいっぱいに発言する。「文句はないね? はい、決まり」と、有無をいわせない司会で審議を進めた。 修正案九条(途上国の自発的参加)に関する審議では、各国代表の意見を聴いた後、突然、条項の削除を告げ、議論の行方を見守る環境NGOや報道関係者の戸惑いを誘った。 「飛行機の時間が気になる人もいるでしょうが、将来の世代にかかわる問題です。ゆっくり審議しましょう」。一方で、国際会議では異例の長時間の審議に疲れがにじむ各国代表を機知に富んだ言葉で励ました。全体委員会の終了後、議長の大役を果たしたエストラーダ氏は列席者と握手を交わし、各国の代表から一段と大きな拍手を浴びた。 |