猛反発受けUターン 会議期限が刻々と迫り、土壇場を迎えた地球温暖化防止京都会議で十一日、議長交代のドダバタ劇があった。大木浩環境庁長官が国会出席を理由にいったん会場を後にしたが、環境NGOの要請で再び会場に戻った。「未来の地球の運命を決める国際会議の議長国としては失格。大失態」と、日本政府の京都会議に対する姿勢を強く批判する声が出ている。 「大変、申し訳ないが、責任を最後まで果たせなくなった」。未明からの議論が続く十一日午前八時五十分、大木議長が全体委員会の議場で切り出した。 「まもなく東京へたたねばならない」。大木長官は後任議長に赤尾信敏ジュネーブ代理大使を指名し、京都駅に向かった。大木長官は同日午後、内閣不信任案が提出予定の衆院本会議への出席が決まっていた。前日から予定された日程とみられる。 大木議長の突然の議長交代について、気候フォーラムなど各NGOが「京都議定書の採択を目前にして無責任だ」と猛反発。野党各党に電話攻勢をかけ、民主党議員が衆院環境委員会を通じ、議員運営委員会と交渉、大木長官の京都残留が決まった、という。 大木長官は結局、新幹線には乗らず、数十分後に再び会場に戻った。 最後の最後に来て国会出席を理由に議長としての責任を放棄、会場を去ろうとした大木長官や、国会出席を指示したとされる橋本竜太郎首相の姿勢を疑問視する声も出ている。 環境NGO「気候フォーラム」の浅岡美恵事務局長は「地球環境問題に対する姿勢を疑わせる。世界の他の国の人は理解できないと思う。官邸の事情はよく分からないが、市民の手で大木さんを引き帰させられたのはうれしい」と話していた。 WWF(世界自然保護基金)は「重要な会議の責任ある立場の者が、途中で会議を放り出し帰るなんて、見たこともない」。グリーンピースは「あまりに突然のことで非常に驚いた。何年もこの会議に向けて準備し、さらに会議最終日の朝まで議論してきたのは何のためだったか。不満だ」としている。 |