Kyoto Shimbun 1997.12.12

 抜け穴多い駆け込み合意
 議定書 「内容は最低レベル」
 NGO3団体が酷評

ろうそくを手に京都会議の成功に向けて
「祈り」を捧げたNGOのメンバー  
(10日午後9時、国立京都国際会館前) 

 世界で活動する環境NGOは、京都会議で合意された議定書の内容や議長国・日本のかじ取りをどうみたのだろう。世界自然保護基金(WWF)、地球の友、グリーンピース・ジャパンの三団体に、各国が合意した議定書の感想を、最高のAから最低のEまで、五段階評価で聞いたところ、「内容は最低レベル」という結果になった。

 WWFは京都会議に最低の「E」をつけた。理由として、最大の課題だった温室効果ガス削減の数値目標が先進国で平均五・二%と低いばかりか、森林などの吸収源を排出量から差し引く「ネット方式」を認めるなど、抜け穴が多いことを指摘。「どう削減するかのテーマが、どう削減しないかの議論に終始した」と、先進国の利害に偏った姿勢を批判した。大木環境庁長官が会議途中に議長を辞任しようとした点について、「責任放棄に等しく、日本のリーダーシップのなさを露呈した」と指摘した。

 地球の友は「Eにマイナスがつく」と厳しい評価。理由として「二酸化炭素だけでみると、一九九〇年レベルから現在は四・六%減っている」と紹介し、議定書で定めた「六ガスで先進国平均五・二%の削減」でも、事実上の排出増加を許す―と強調する。こうした合意の背景に、米国や日本の石油会社や自動車産業による政府への圧力を指摘し、「地球環境より一部企業の利益を優先させた」と話す。

 グリーンピース・ジャパンは「評価不可能」。議定書の条件で温室効果ガスを削減しても、「二〇一〇年には一九九〇年レベルより六―八%増加(二酸化炭素量換算)」の試算結果を示したうえで、予定より一日ズレ込んでようやく決まった会議のてん末を「駆け込み合意」と皮肉った。

 ただ、各NGOとも、議定書に各国が合意したことは一定評価。温暖化防止がようやくスタートラインに立ったとして「NGOが一丸となって、政府や企業、市民への働きかけに力をいれる」と口をそろえた。


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