Kyoto Shimbun 1997.12.12

 米欧勝ち くっきり 日本負け
 環境庁と通産省にも明暗  

 二十一世紀の温暖化防止対策を決めた「京都議定書」が十一日、世界約百六十の国、地域の利害のぶつかり合いの中から生まれた。「だれが勝ったとか負けたという話ではない」と、日本政府を代表して「みんなの勝利」を強調する高村正彦外務政務次官。だが、米国と欧州連合(EU)が“勝ち組”、日本は“負け組”と勝負の結果は歴然。日本政府内でも環境庁と通産省とで明暗がくっきりと分かれた。

 交渉で最もポイントを稼いだのは、温室効果ガスの高い削減率を掲げ、交渉を終始リードしたEU。「最初のステップを踏み出した」と議定書成立にビエルゴーEU欧州委員会委員は久しぶりに笑顔を見せた。同委員は「米国の○%を七%に私たちが変えさせた」と自ら果たした役割を強調する。

 米国も自画自賛。アイゼンスタット国務次官は「ゴア副大統領の来日が良かった。ダイナミックでいいスピーチをし、流れも変わった」と記者会見。最終局面で削減率を大幅に上げ、米国の「歩み寄り」を効果的に印象付けたためか満足そう。

 予想外に削減率アップを強いられた日本。通産省幹部は「今以上の省エネは必要ない。共同実施などで手当てはつく」と説明するが、やや苦しげ。七%の削減が可能としていた環境庁の担当者は「産業界から突き上げられて通産はパニックになるのでは」と、“ライバル”の苦悩に冷ややか。「これで自分たちの仕事にさらに弾みがつく」と明るい表情だった。


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