|
チャレンジ京滋の企業 | ||||||
リナックスはウィンドウズなどと異なり、だれもが無料で使用でき、プログラムを改変して商用に使える自由度の高い基本ソフトだ。このリナックスを改造して組み込めばさまざまな電子機器がパソコン並みの機能を持ち、ネットワーク接続も可能になる。 アックスは2000年にはシャープの携帯情報端末(PDA)のザウルスで動作する移動体用の組み込みリナックス「zxLinux」を開発。大手企業の機器に搭載された組み込みリナックスの性能の高さが注目を集め、アックスはその最先端企業として業界に認知された。 竹岡尚三社長(44)は高校のころからコンピューターに関心を持ち、京都工芸繊維大在学時にさまざまなプログラムを作成した。25歳の時に西陣織の製作工程をコンピューター化する会社を設立。その間に京都大やオムロンなどと共同研究も行い、多くの携帯電話に採用されているオムロンの漢字変換ソフト「Wnn(ウンヌ)」の開発にも携わった。その後、ソフト会社員などを経て1992年にアックスを立ち上げた。 巨大計算機の開発やサーバー向けのOSで業績を伸ばしたが、2000年のザウルス向け組み込みリナックスの成功で開発路線は変わった。01年にはさまざまな機種に組み込める「axLinux」を開発。大手メーカーの採用が相次ぎ、オリンパスのデジタルカメラ、松下電器産業のプロジェクターにも組み込まれた。これらの機器にリナックスを組み込むことでネットワークに接続して映像を無線で飛ばし、また自由に画像を分割できるプロジェクターや撮影映像を複数のサーバーに無線で配信する監視カメラなど応用方法は広がった。 ここ数年で技術力の低い組み込みリナックスを扱う企業は淘汰(とうた)され、アックスは後発ながら高い技術と先見性で頭角を現してきた。その裏には受注企業に合わせてリナックスの基本を指導しながら、共同開発するマンツーマン方式など手厚い支援体制がある。現在はリナックスの採用を広げるため、教育担当部署を設けて技術者向けのセミナーを開くなど普及活動にも熱心だ。 竹岡社長は「今後、リナックスはもっと多くの機器に組み込まれるようになり、市場はさらに拡大する。売上高10億円を目標にしてマザーズへの上場を目指したい」と先を見据える。
|