The Kyoto Shimbun

外観検査するロボット

ジエイ・クオリティ京都市下京区中堂寺粟田町

 ロボットの腕の先端に付けた高精度カメラが、台上に載せられた自動車のプラスチック部品の周囲を素早く動き回り、一通りの動作を終えると次の部品に取り換えて再び同じ作業を始める。製品表面の傷や破損、混入した異物などを調べる立体物外観検査装置「ロボビジョン」。製品の一つの面を検査する時間はわずか0・03秒という早業だ。

 「生産工程が自動化されるなかで、検査部門はまだ人間の目に頼っている部分が多い。機械化すると、不良品の判断の個人差もなくせるうえ、製造ラインに組み込むことができる。多くのメーカーに受け入れてもらえるはずだ」。開発した西村明社長(38)は自信を見せる。

 工場の生産設備システムの企画、開発などを手がけ、昨夏からロボビジョンの販売を始めた。同機は、川崎重工業製の六軸多関節ロボットを使い、自動車のバンパーやガラス瓶、携帯電話の外枠など幅広い立体物の検査を行える。

 一号機を納入した九州の自動車部品メーカーからは、再び4台の注文が入った。昨秋には東京で開催された国際ロボット展に出品し、自動車部品メーカーなど60社あまりから商談が持ち込まれるなど好調な滑り出しとなっている。  


昨夏から販売している立体物外観検査装置ロボビジョン
 西村社長は起業前、京都市内の産業用ロボットメーカーに勤務し、ロボットシステムの企画や設計などを担当していた。会社の同僚と一緒に独立し、2004年12月に西京区の実家で創業した。

 05年には、電子回路基盤など平面物の外観検査ができる卓上型装置を開発。西村社長は「創業当時、ロボットと画像処理を結びつけて検査装置を作る考えはあまりなかった。技術的にも手間がかかり大手メーカーが手がけないすき間の分野なので商売になると考えた」と振り返る。

 05年3月から下京区の京都リサーチパークに事務所を移し事業を本格化。独自の工場を持たずに、顧客の近くにある製造業者と契約を結んで装置の製造や保守点検などを任せる方式を取る。契約料が主な収入だ。

 さらに、昨秋から顧客の製品がロボビジョンで扱えるかを事前に無料で試験するサービスを始めた。顧客の設備投資のリスクを軽減してもらう細やかな配慮を見せる。

 今度はロボビジョンの販路拡大のほか、工場内の循環水を自動監視するシステムをはじめ、安全、環境をキーワードにしてロボットを使ったシステムの開発に力を入れていく。

 西村社長は「ロボットと画像処理のようにそれぞれ独立した技術を結びつけ、新たなシステムを構築し、提案していきたい。大手企業は参入しにくく、小回りがきくベンチャーだからこそできる分野を狙いたい」と話す。

[京都新聞 2008年1月13日掲載]

毎月第2日曜日に掲載します。

≪メモ≫ジエイ・クオリティ
2007年6月に会社設立。資本金800万円。従業員6人。ロボットを使った外観検査装置の開発や、コンピューターシミュレーションによる工場での製品の最適な搬送方法や経路などの企画、設計を行う。07年度は売上高2億円を見込む。

京都リサーチパーク内にある事務所。顧客の製品を検査できるか、事前に試験するサービスを行っている(京都市下京区、ジエイ・クオリティ)

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