
5.娯 楽
映像や情報、どこでも受信
コンテンツ充実が 利用拡大のかぎに
日本最大のウェブサイト・ヤフージャパンは今月、FIFA提供の携帯電話向けオフィシャルサイト「FIFAWorldCup」を公開した。NTTドコモの新世代携帯電話「FOMA」に名勝負物語、伝説のプレーヤーなどの画像を配信、五月の開幕が待ちきれないサッカーファンにはこたえられない新サービスを提供している。
NTTドコモは、自社でも商用サービスを模索している。「鬼は外、福は内」。今年二月に京都市左京区の平安神宮で行われた節分祭の様子が、携帯電話の画面に映し出された。「迫力ある映像で遠方の人にも行事に親しんでもらえるのでは」。同神宮の権禰宣の威徳寺秀樹さんは話す。
同社が目指す映像配信サービスは、スポーツの試合や各種イベント、テレビ番組などがFOMAで受信できる以外に、FOMA利用者が必要な時に同社の動画蓄積サーバーから情報を取り出すことも可能だ。
実験では、神戸市の中華街・南京町で開催された春節祭のイベント中継や人気ロックバンドのライブ映像の配信なども実施した。実験は今月末で終了し、近く準商用サービスを開始する予定。「技術的にはほぼ問題がなく、後は楽しく役に立つコンテンツ(情報の内容)がそろえられるかどうか」(同社広報)という段階に来ている。
次世代のネットワーク、無線LAN(構内情報通信網)を使った映像配信の試みも始まっている。小田急電鉄(東京都)は、総務省の外郭団体など委託を受け、特急ロマンスカー(新宿−箱根)の車内で無線LAN接続サービス実験を開始した。乗客はパソコンの貸与を受け、スポーツ中継や映画、アニメや観光情報などエンターテインメント情報をダウンロードできる。サービスを利用した人の個人認証などは、新しいインターネット制御技術IPv6を利用してクリアする。同社は「移動する時間を有意義に利用してもらいたい」としており、新サービスで鉄道利用者の減少傾向を食い止めたい考えだ。
携帯情報端末の高性能化の一方で、新たな問題も出てきた。「携帯電話で舞台が盗まれてしまわないだろうか」。京都市東山区でライブハウスを経営する石田好夫さん(45)はこう懸念する。FOMAなどビデオカメラ付きの携帯電話を使って、ライブ映像が盗み撮り中継される可能性もあるからだ。石田さんは「ライブの著作権はライブハウスと出演者にある。これが侵害されれば、音楽ビジネスが成り立たなくなる」と警鐘を鳴らす。
こうした懸念にこたえるように舞台装置大手の三精輸送機(大阪市)は妨害電波を発信する装置を開発。コンサートホールなどへ売り込みを始めた。ケータイの進化は、新たな課題とともに次々と新ビジネスを生み出している。(おわり)
写真=新世代の携帯電話なら行事やイベントの生中継も可能だ(京都市左京区の平安神宮)
▼ケータイ国際フォーラム 3月26日から京都で開催▼