Kyoto Shimbun

川島織物セルコン社長・青戸 紘氏 合併で主力事業に力

 創業163年の歴史を持つ川島織物がインテリア企画販売のセルコンと合併、1日に「川島織物セルコン」としてスタートを切った。新会社の事業戦略など、青戸紘社長に意気込みを聞いた。

あおと・ひろし 京都大経卒。1967年住友銀行(現三井住友銀行)入行。取締役京都支店長などを経て、97年6月川島織物専務、98年10月社長に就任。06年4月から現職。島根県出身。61歳。

 −新会社が新たな一歩を踏み出しました。
 「インテリアで同業だったセルコンとの合併で、主力事業をテコ入れできる。シート地などの自動車分野、帯をはじめとする身装・美術工芸分野との3本柱の事業で、存在感の際立つインテリアファブリックメーカーへと飛躍したい」

 −合併決断の理由は。
 「両社とも低迷していた業績がようやく回復してきたが、将来の成長戦略が描けない状況にあり変革が必要だった。川島は質の高いオリジナル品を作るが、顧客志向に欠けていた。セルコンは顧客のことはよく分かっているが、メーカーではなくオリジナル商品がなかった。デザイン力や企画力など互いの強みを生かし、成長発展できる新たなビジネスモデルを築こうと、決意した」

 −収益力アップのための合理化効果も必要だった。
 「インテリア事業を見ても、川島が売上高約300億、セルコンは同280億ぐらいで規模は小さい。その中で、それぞれに相当な固定費を抱えていた。06年3月期予想で、売上高経常利益率はセルコンが2%、川島はやっと黒字転換して0・3%。これでは成長性に問題がある。営業拠点の統廃合などの合理化を図り、6年後には売上高経常利益率5%を達成したい。2つの会社が1つになって余分を切り捨てて利益を出すというやり方ではなく、売り上げを伸ばすことが先決だ」

 −新しいビジネスモデルをどう描くか。
 「インテリア部門では室内装飾事業の利益率が高い。ホテルや医療施設、官公庁など向けの内装で『直需・元請け・責任施工』を基本に、企画から販売、設計、工事までを手がける。そのために営業体制を充実させ新規顧客を獲得する。主力のインテリアファブリックは、高品質商品の開発販売に注力し、事業を再構築する」

 「自動車部門は米国、中国、タイに生産拠点があるが、開発スピードを上げて世界同一品質、同時供給体制を確立し、自動車メーカーのグローバル化に対応する。身装・美術工芸部門は、ブランド力を生かし若年層向けの和装製品開発などで客層を広げたい」

 −創業以来の看板が変わった。
 「『和』をベースに京都で培ってきたブランドは大きな誇り。量だけを追求するのではなく、自分の会社にしかできないオリジナルで、伝統と未来をしっかりつなぐ。それが京都らしい会社だと思う。消費者の視点に立ったものづくりに立ち返り、3つの事業それぞれで世界一を目指す」

[2006年4月6日掲載]