|
ジーエス・ユアサコーポレーション社長・依田 誠氏 「自動車電池」黒字化へ
鉛電池国内最大手のジーエス・ユアサコーポレーションが、今期から中期経営計画をスタートさせた。日本電池とユアサコーポレーションの経営統合から2年半。今年6月に就任した依田誠社長に計画の重点課題や経営方針を聞いた。
よだ・まこと 中央大商学部卒。1972年日本電池入社。2001年取締役。常務をへて04年4月の経営統合とともにジーエス・ユアサコーポレーション常務。専務執行役員を経て、今年6月、社長に就任した。東京都出身。56歳。
|
−新社長としての抱負を。
「今期に入ってようやく経営統合のプラス効果が出てきた。統合によるマイナス部分の整理が終わったところで社長を引き継いだため、従来の経営方針を少しでも早く実現することが使命だ。中期経営計画の達成こそが統合の成功を意味すると思う。計画を着実に実行し、統合が成功だったことを証明したい」
−経営統合2期目の前期は最終黒字に転換した。正念場となる今期の状況はどうか。
「今期は収益が改善し、経営統合の効果がようやく数字に表れ始めた。当初2年間はマイナス効果が先に表れたため、生産設備や従業員のリストラを実施せざるを得なかった。今期も統合効果は継続する。人件費削減などで経常利益は前期比で30億円以上改善すると見込んでいる」
−中期経営計画では2009年3月期に売上高2600億円、経常利益120億円を目標に掲げた。主力の自動車電池の収益改善が不可欠だが。
「赤字が続く自動車電池事業は最大の課題だ。値上げと合理化によるコストダウンで今期中に黒字化したい。自動車電池は統合効果が表れるのが一番遅れている。旧2社で製造拠点や製品などが重複している。現在500ある電池の機種を年内に300に減らす。増産で一機種あたりの製造コストを下げ、部品材料や物流なども合理化する」
「だが、主原材料の鉛の価格が3年で2倍に上がり、現在も高止まりしている。6月から製品値上げを実施したので下期に効果が出てくるだろう。原材料がこれだけ高くなると売価に転嫁せざるを得ない」
−新事業育成を計画の柱の一つに据えている。
「リチウムイオン電池に期待している。電気自動車などの電池は小型で性能が高いリチウムに置き換わっていくはずだ。当社の技術は世界トップクラスと自負している。いつでも参入できる体制をとっていきたい」
−海外展開を強化しているが、拡大が続く中国市場での事業戦略は。
「中国のモータリゼーションが思ったよりも早く、市場が非常に大きくなった。中国国内ではシェア22%を目指す。来期まで2年かけて充電設備を伴う物流倉庫を各地に設ける。販売ネットワークも整えてサービス力も高める。だが、市場が頭打ちの日米欧はすでにシェアが高いため、他社と共存共栄するため秩序ある競争をする」
[2006年9月13日掲載]
|