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若い世代に「和」を提案 川島織物社長 青戸 紘氏 二年にわたって人員削減など大胆なリストラに取り組んだ川島織物は、二〇〇〇年三月期決算で七年ぶりに黒字の見通しだ。京都の和装業界は今、厳冬のまっただ中。西陣織の高度な技術を持つ同社といえども例外ではない。インテリア部門など成長分野への積極投資や機構改革などの構造転換に取り組む青戸紘社長に現状や今後の課題などを聞いた。
―和装需要の低迷がどう影響しているか。また、どう対応しようとしているのか。 「呉服・美術工芸部門の売上高は、昨年九月中間期で前年同期比一三・三%減と厳しい状況が続いている。ただ、帯や緞帳(どんちょう)など品質の高さは評価されており、シェアはむしろ上がっている。和装市場全体が収縮しているだけに、織り技術をテーブルセンターなどのインテリアなどに生かす工夫が必要だ。若い世代にも受け入れられる『和』を提案して、和装の新たな市場を切り開きたい」 ―新たな市場とは、具体的にはどのような分野か。 「インテリア部門は成長分野と見込んでいる。どんどん新規事業を手がけたい。単に住居、事務所の内装だけでなく、福祉、環境関連の分野へも広がりを予想できる。例えば、焼却時に有害ガスが出ない壁紙などは競争力が高く、すでに成功している。また若い女性にターゲットを絞って昨秋発売したカーテンは、販売目標の一一〇%前後で推移している。これまでの『作れば売れる時代』は終わり、消費者が『どうしても欲しい』と思えるモノづくりが大切で、それは、わが社が最も得意とするところだ」 リストラ効果出る ―二〇〇〇年三月期は、七年ぶりの黒字予想だが。 「ピークの九一年の売上高は千億円近かったが、昨年は四百億円台にまで減少した。一昨年から本格的にリストラに取り組んだ結果、ようやく効果が出てきた。遊休地や事業所用地の一部を売却して、スリム化したほか、営業所の一部を再編した。二年間で、希望退職者も百七十人になった。厳しい経費節減は社員の意識改革にもつながっている」 ―リストラは終わったのか。 「一連の経費節減は終わったが、今後は『攻めのリストラ』を進める。事務部門の要員百五十人のうち三十人程度を営業に配置転換するほか、デザイン力強化のために、来年から技術系を中心に新規採用を増やしたい。これまで数年間、凍結していた設備投資も、今年は再開し、十億円以上を考えている」 ―二十一世紀に向け、何を社業の課題とするのか。 「主力の自動車シート地は、自動車業界の世界的再編の動きにどう対応できるかにかかっている。台湾、中国、フィリピンに工場があり、海外を中心にシート地の伸びはまだ期待できる。『物づくり』と同時に『物語り』も大切だ。美術工芸織物からシート地まで、わが社の製品は、身近な生活の中に根付いているが、それが川島織物の製品だということはあまり知られていない。消費者に夢を与え、語り伝えられるブランドに再構築したい」
(政経部 猪口健司)
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