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「ガーデニングする」ワケ | |||||
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(社会部 宮部真典)
京都市左京区に住む写真家の藤原忠さん、真樹さん夫妻は、今の家に引っ越してきた半年ほど前から休日ごとに二人で庭づくりに励んでいる。木を格子状にした「トレリス」で塀(へい)をつくり、花壇には数種類のハーブも植えた。テーブルといすを置いた木製デッキ、レンガを敷いた道も自分たちでつくった。
「草花が好きだし、どんな庭にしようかと考えるのが楽しい。素人らしさが残りますが、自分でしないともったいない」と真樹さんが笑う。「雑木林のような庭」をめざして、少しずつ作業が進む。 顧客層の変化に合わせたのだろうか、園芸用品や作業道具も様変わりする。園芸専門店やホームセンターには今まで見かけなかった革製や花がらの手袋、表面を焼いた木材で作ったプランターが所狭しと並ぶ。 上京区内の生花店でグリーンコーディネーターを務める須貝美由紀さん(26)は「育児から手を離れた三十代ぐらいの主婦や一人暮らしのOLが増えました。かわいらしい園芸用品も増えて、雑貨好きの女性の心をくすぐっているのでは」と流行の背景を分析する。 なぜ、女性の人気を集めるのか。今では読者の八割を女性が占めるという「園芸ガイド」(主婦の友社)の田淵増雄編集長は「昔は家や庭について考えるのは男性という家庭が多かったが、今は女性が増えたことも影響している」と話す。さらに「自分らしさを求めて、草花や庭にこだわるガーデニングは、女性たちの自己主張のひとつといえるのでは」と見ている。
職人さんがつくった庭を見て楽しむだけでなく、庭ができるまでの経過に携わる。その後の手入れにも汗を流す。ルールや形式にとらわれず、自然とより深く向き合いたいという人が増えているのだろうか。 ガーデニングがきっかけで、自分の性格が変わったという人もいる。通訳として働く大津市の女性(37)は「庭仕事をしていると無の境地になって、ストレス解消になる。昔はミミズを見たら失神して、園芸なんて田舎臭いと思っていたのに」と笑う。 五年ほど前、飼い犬が庭から出ないようにパンジーを植えた。土に触れて花を育てるうちに、暮らしの中で忘れがちだった「生」の感覚を思い出した。同じ花でも朝と夕方で、表情が違うことにも気がついた。
「神経質な性格だったのが、落ち込まなくなって。不思議と土を触った夜はよく眠れるようになった」 休日は配色を考えて花を植えた庭を眺めながら、家族と午後のティータイムを過ごすそうだ。 ガーデニングが広まった背景には、家庭園芸の本場・イギリスの「イングリッシュ・ガーデン」が雑誌などで紹介されたことも大きい。「憧れのイングリッシュガーデン」の著者で園芸ジャーナリストの八尋和子さんは「イギリス人は植物が大好きで、育てること自体を楽しみとして生活に取り入れている。イギリスの庭をまねするのではなく、庭や花に研究熱心な姿勢やチャレンジ精神おう盛なところも学んでほしい」と、庭づくりの初心者に助言を与えてくれた。 ◆◆◆英国風にあこがれ |