Kyoto Shimbun 1997.10.21 

 ピンクに染め"再生"

はるか対岸の上空が真っ赤な朝焼けに彩ら 
れると、湖面も鮮やかなピンク色に染まる。
琵琶湖の夜明けだ(滋賀県志賀町松の浦) 

 西近江から望む琵琶湖の夜明けは格別である。

 午前六時前、比良山系の山すそ、志賀町の高台に立つと、寒さに身震いした。

 はるか対岸の上空が真っ赤な朝焼けに彩られると、眼下に広がる湖面が次第にピンク色に染まる。

 遠く沖合いでエビ釣り漁船の明かりが家路を急ぎ、水鳥の群れが湖面をすべる。やがて、ご来光。湖は目覚め、一日が始まる。

 「人生は毎日が生まれ変わり」と言ったのは、比叡山の荒行・千日回峰行を二度達成した酒井雄哉さん。湖の夜明けはそれを無言のうちに語ってくれる。

 古代、北陸と京都を結ぶ水上交通の港として栄えた西近江路。古代人たちは昇る朝日にどんな祈りをささげたのだろうか。


 開発で大きく変わった近畿の水がめ・琵琶湖。だが、四
季折々にみせる豊かな表情は今も変わらない。湖辺に自然
の詩を訪ねた。

(写真・阪本雅彦、文・吉澤健吉=ともに滋賀本社)  

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