Kyoto Shimbun 1997.10.23 

 眠る入江に輝くススキ

深緑色の静かな湖面に、黄金色のススキの穂が風になびく姿 
は、世俗を離れた神秘性を感じさせる(滋賀県西浅井町大浦)

 琵琶湖に、これほど静かな表情があるとは思わなかった。奥琵琶湖の入江。

 間近に迫る山々の急斜面に抱かれ、静かに眠る。深緑色の鏡のような湖面が、水の深さを思わせる。

 水辺では秋の強い日差しを受け、黄金色のススキの穂が揺らぎ、心を和ませる。

 奥琵琶湖の滋賀県西浅井町大浦は、静けさの漂う秘境である。

 平安時代から海津、塩津とならぶ湖北三浦の一つとして、北陸から京都への物資輸
送の中継港として栄えたこの港も、江戸時代以降、日本海航路や鉄道の開通でいつしか忘れられる存在となった。

 俗塵(じん)を離れ神秘性を保ってきたこの辺りだが、最近は休日ともなれば、ブラックバス釣りの若者たちでにぎわう。


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