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吹き付ける水をくぐると、つややかな木肌があらわれた

   


水しぶき受け木肌つややか

 水しぶきが北山杉の皮を吹き飛ばし、磨き丸太のしぼり模様をあらわにする。4月中旬、京都府京北町、林業の里・黒田。作業は大詰めを迎え、顔にあたるしぶきも心もち温かい。

 作業をするのは、磨き丸太の美しさにひかれて林業についた三間恭二さん(56)。この冬、水のカーテンをくぐった杉は千数100本という。「氷点下10度の時は、しぶきが凍ってたんやで」。機械化で手の代わりに水がはぐようになっても「厳しさは変わらへん」。

 床柱にする杉は、30の年輪を刻む。林業を始めたころ、まだ苗だった。不況の風に揺れる林業だが、愛着は深い。50キロを超す丸太をスッとかつぎあげ、「わたしらが植えた木がまだ山にある」。杉の香が三間さんを包んだ。

 外の木々に、緑が増してきた。



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