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雨のしずくの幕をくぐり、木の根を踏みしめ参道を歩く人たち


   


浄域への道 森に読経こだま

 もやにかすむ山道を、木の根が大蛇のようにはう。緑洗う雨、野鳥の声、時折行き交う人、人。京都市左京区の鞍馬山。全山浄域とされるが、奥の院周辺の約1・5キロの道筋はひときわ空気も澄み、点在するお堂に信者たちの読経の声がこだまする。  

 樹齢数百年の巨木、落葉する森。太古の自然が残る道は、ハイカーにも人気がある。しかし今年はちょっと様子が違う。長梅雨のため、縁日を中心に集まる信者のほかは、道行く姿もまばらだ。

 「3、4時間かけて緑の中を歩くと、山の精気のおかげか、体が軽くなるんです」と、35年間、月参りを続ける久保達也さん(59)=京都市伏見区醍醐=。道すがらゴミを拾う。手元の大きく膨らんだ袋に、自然への畏敬(いけい)の念が見えた。



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