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  「するがや祇園下里」の「大つつ」 No5. 

 幼い頃、祖父にあたる先代・茂山千作の家に遊びに行くと、祖母が出してくれた。「大砲(おおつつ)の玉ほど大きい」ことから明治初期、この名前がついたように粒が大きく、黒砂糖と水あめにショウガの搾り汁を加えて作られたあめの外側には、薄く焼いたせんべいが巻いてある。口の中で転がしていると、少しずつせんべいが溶け、中のあめが滲み出してくる。クッキーのようなほのかな甘みが、黒砂糖の芳純な味わいへと変わっていくのが楽しくて、今も、一度口に入れたらかまずになめ続けてしまう。

 「砂糖自体に少し香りがあるような。質の良い材料を使っている上に、あめにせんべいを巻くという発想がお手柄ですよね」。

 ユニークな形と素朴な味は外国人にも好評で、アメリカ、ヨーロッパを訪れる際には友人への手土産として機内に持ち込む。「和風味のキャンデー、って喜ばれます」。

なぜ、あめにせんべいを巻いたのか。経緯は定かではないが、「するがや祇園下里」6代目夫人で販売業務を担当している下里知子さん(42)は、「あめが指にくっつかないように工夫したのでは」と考える。また、混ぜる水あめの分量も少なめにして、かんだときに歯につきにくくした配慮がみられるという。伝統芸能など舞台関係者にファンが多く、中には洋酒と一緒に楽しむ人も。「玄人好みの味やね、とほめて下さる方もいます」。

推薦者

狂言師
茂山 あきらさん
メモ
するがや祇園下里
「大つつ」は、袋入り120グラム(800円・税別)から。箱入り(1000円・税別)、缶入り(2100円・税別)もある。「するがや祇園下里」(〒605-0085 京都市東山区祇園末吉町80番地 電話075-561-1960)、または高島屋京都店、ジェイアール京都伊勢丹、大丸京都店で購入可能。「するがや祇園下里」の営業時間は午前9時−午後8時。無休だが臨時休業することがある。