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桂離宮、二条城などのふすまに用いられている「京唐紙」。今や国内唯一の版元となった「唐長」11代目当主の長女として、唐紙の美しい柄を生かした小物類を製作する。ポストカードやコースターなどを手がけるうち、東京のレストランなどから壁面のデザインの依頼が来るようになり、上京する機会が増えた。その際の手みやげには、いつもこれを選ぶ。「黒砂糖のお菓子なのに、えぐさがまったくない。菓子を包む和紙も上質で、手触りの柔らかさや色あいが素晴らしい」。 「旅奴」は、小麦粉、卵、砂糖を混ぜて焼き上げ、黒砂糖をまぶしてある。黒砂糖は、うま味や香りで最高級とされる沖縄・波照間島産のものを使っているが、苦みも強いのであく抜きには手を惜しまない。すべて手作業のため、観光シーズンには、創業者の後藤常三さん(89)ら父子3代が3人がかりで作っても売り切れてしまうことも。店の前までタクシーで乗り付け、1人で30袋も買い込む客もいるという。 2代目店主の長男の妻、後藤昌子さん(38)によると、「旅奴」の名は、大名行列の奴(やっこ)からつけられた。「旅のお供に」の意味を込めてという。「旅先でつまむみたいに気軽に食べていただけたら。どんな飲み物とも合いますが、意外なところでは牛乳がいいですね」。
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