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  「末廣」の「さばずし」 No10. 

 毎年、夏と冬は北海道小樽市内の仕事場で過ごす。むこうの友人への土産が「さばずし」。飛行機に乗る前日に買い込み、クール宅急便で送っておく。翌日、仕事場で受け取り、プレゼントする。刺し身など素材の新鮮さを生かした食べ方が主流の北海道では、酢じめの魚を楽しむ調理法は珍しいといい、初めて食べた人には必ず驚かれる。

 東京での出版関係者との打ち合わせにも頻繁に利用し、今や10年以上のつきあいになる。贈った人からアンコールを受けなかったことはない。「サバの塩加減と酢のあんばい。ごはんの甘み。上に乗った昆布の香り。それぞれが絶妙のバランスで調和している。何か一つの味が際だって強いということがなく、すべての材料が合わさってのおいしさ。これだけ洗練された味はちょっとない」

 すし店「末廣」8代目店主の長男、柴田十起夫さん(33)によると、一番神経を使うのは、酢に漬ける前にサバになじませた塩をいつ洗い流すか、ということ。身を3枚におろした後、塩をふって3−4時間おくが、季節によってサバそのものの持ち味が異なるため、流すのが早いと生臭く、遅いと塩辛くなる。合わせるすし飯は甘め。塩をきかせたサバと甘く仕上げたすし飯が互いの味を引き立てあう。「味の加減にはマニュアルがない。先代の手元を見て覚えた感覚と幼いころから食べてきた味の記憶が頼り。『変わらず変えず』、受け継がれてきた味を守りたい」

推薦者

絵本作家
永田もえさん
メモ
「末廣」
「さばずし」は、1本(2人前・12切れ)3400円。1人前6切れでも販売しており、1700円。すし店「末廣」(〒604−0916 京都市中京区寺町通二条上ル要法寺前町711 電話075−231−1363)で買える。店の営業時間は、午前10時−午後7時。月曜定休。