都会的でモダンな家具が並ぶイデーエクスペリエンス(京都市東山区)

イデー、キサ、GRVも

 「京都限定の支店」−。東京にあるインテリアショップや靴店などが、京都だけに支店を開店するケースが相次いでいる。開店の理由は、世界に代表する都市であることに加え、季節感を大事にした生活感や何代にも渡って品物を使い続けていく価値観、知り合い同士が数珠つなぎに広がっていく独特なコミュニティの存在が背景にあるようだ。


 季節感が大事な京都の暮らし

 北欧のデザインを感じさせるイスや机、アンティークの照明にセレクトされた小物や雑貨。おしゃれなカフェのスペースもある。東京・青山に本社がある「イデー」が先月、京阪三条駅前のKYOUEN(京都市東山区)にオープンした。東京では複数の支店を持つが、他府県では初出店だ。

 同店は独自のセンスで集めた品ぞろえで知られ、おしゃれな町・青山で欠かせない顔として注目されてきた。「他地域でも出店の計画はよく持ち込まれていた」(同広報)というが、「季節の移り変わりや、個々のライフスタイルを大事にする土壌がある。売っておしまいではなく、長いおつきあいをしたいという、うちのスタイルが受け入れられるのではないか」との思いで京都を選んだ。これまで海外から来日したデザイナーを何度も京都に招くなどの土地勘があったのも大きかったという。

 期間限定や初のオンリーショップ

 チャッピーのキャラクターで知られる「グルーヴィ ジョンズ」(GRV・東京都目黒区)は今年9月に、中京区でTシャツなどのグッズを販売する期間限定の直営店を開く。今年3月から2カ月間ほど行った第2弾だ。

 GRVは1993年に伊藤弘さんを中心に設立したデザイングループで、パリのカルチェ財団ギャラリーに展示するなど内外で広く活動している。 開店のきっかけは、GRVの知り会いで、左官職人、アーティストでもある小林常司さん(35)が京都で事務所を構え、活動していることだった。「たまたま、小林さんの事務所の一角にフリースペースがあったため、店を開こうということになった。京都は友人たちがデザイン活動をしていているなど人脈が多く、もともとGRVも京都からスタートしたという素地もあった」(GRV広報)と話す。

 高田喜佐さんがデザインする靴店「キサ」(東京港区)は今年3月、全国で初めて室町にオンリーショップを開いた。もともと京都で一部商品を扱っていた店の元スタッフから「独立し、キサの靴だけの店を扱う店を開きたい」との提案が寄せられたためだ。 スタッフの熟知した商品知識に加え、高田さんのファンなどおおくの顧客がいたことなどから、初のフランチャイズ方式を採用。店は蔵を改装したモダンな雰囲気で、高田さんも気に入っている、という。

 京都から世界発信

 なぜ京都なのか。若い女性向けファッション情報誌「ハナコウエスト」の吉村司編集長は「これまで大阪が第二都市だったので、2号店といえば大阪だったが、ここ5〜6年は京都や博多、名古屋など地方に分散するケースが目立ってきている。特に京都という土地は若い女性にとってパリ、ロンドン、東京と同じ位置づけで、『京都に行く』というのは『外国に行く』というのと同じ感覚。東京に次いで京都に出店するというのは、店側にとってワールドワイドな展開を考えているからだと思う。今後も京都を拠点に世界に発信していくという店が増えていくのでは」と話している。

(8月29日掲載・終わり)