探訪 京滋の庭
大池寺「蓬莱庭園」(滋賀県甲賀市)
▼MEMO

四季折々に姿を変える枯れ山水

写真
四季折々にさまざまな表情を見せる枯れ山水の蓬莱庭園。春には赤や白のサツキが咲き誇る
 臨済宗妙心寺派、大池寺(だいちじ)の「蓬莱庭園」。サツキを刈り込んだ枯山水が美しく広がる。サツキを刈り込んだ枯れ山水が美しく広がる。「サツキは四季折々に変わり、味わいがあります。静寂の中で、ゆっくり鑑賞していただければ」と住職の清水壽晴さん(37)。

 5月下旬から6月中旬には赤や白の花が咲き誇り、夏には新芽の緑が見る人を魅了、秋になると奥の真っ赤に紅葉したモミジを借景に、庭砂の白、サツキの緑が浮かび上がる。雪がうっすら積もった冬の朝は水墨画を見るような趣がある。

 庭の中央の刈り込んだサツキは宝船をかたどり、その中の7つの石と角形や円形の小さい刈り込みは、七福神と七宝を象徴。庭に敷いた白砂は大海原、奥の2段刈り込みは大波と小波、右手前にある6つの石とそれを覆うサツキは亀を表す。

 庭園は江戸時代初期の茶人、小堀遠州の作。遠州は近江の国・坂田郡小堀村(現在の長浜市)に生まれ、豊臣秀吉に小姓として仕え、徳川家康に遠州守に任ぜられて茶を学んだ。蓬莱庭園は、遠州が水口城の落成祝いで造ったとされる。

 大池寺は、僧行基が紫香楽宮造営に訪れ、農民のためにかんがい用の池を造った時に開山。元の名は青蓮寺だったが、織田信長の焼き討ちで焼失した後、寛文年間(1661〜1672)に瑞鳳寺(宮城県)の丈巌禅師がこの地を訪れ、残されていた本尊の釈迦牟尼如来(しゃかむににょらい)坐像などを見て、大池寺として再興したという。

 大池寺は県立自然公園内にあり、遊歩道も整備されて住民の憩いの場になっている。大みそかの年越しの約1時間はライトアップして無料で特別公開、地元だけでなく京阪神や東京など遠方から訪れる人もいる。

【2001年4月11日掲載】


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