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| 日差しの中 鳥獣戯画に迷い込む | |||
「かなりこじつけっぽいものもありますが、結構、似てるでしょ」 吉川弘哉住職(53)は、一つひとつ石を指さしながらほほ笑む。 同寺の宝生苑は、別名「鳥獣の庭」として知られる。昭和40年代後半、客殿の増設を機に「ゆっくり眺められる庭を」と、先代住職が雑木林などを広げて造った。 広さ約660平方メートルの庭に並ぶ石は、長崎や高知、新潟など日本全国から集められ、合計約600トンに達するという。16種類の動物に見立てられており、訪れた人を鳥獣戯画の世界へ誘う。 しかし、当初は鳥獣の庭を造るつもりではなかった。吉川住職は「だれからともなく、次第に動物に似ているのでは、と言われるようになった」と説明する。 庭の借景も、また訪れた人たちを魅了する。京都市東南部のまちなみが一望でき、手前には竹林のなだらかな向日丘陵が細長く伸びる。その向こうには京都36峰最南端の稲荷山と桃山、さらにその奥には奥醍醐の山並みが重なる。 朝は、山々から太陽が昇り、午後5時を過ぎると、夕日に照らされて山々は輝く。山並みが青空にくっきりと浮かびあがる晴れた日もいいが、かすみがかかって、りょう線がぼんやりとするこの時期の眺めも、穏やかな気分にさせてくれる。 吉川住職は「最近は高層ビルが建ち、借景の雰囲気も変わってきましたが、自然の中で生かされていることを感じていただければ」と話す。 | |||
【2001年4月25日掲載】 | |||