探訪 京滋の庭
桂坂野鳥遊園(京都市西京区)
▼MEMO

翼を休める枝や岩 人工の楽園

写真
観鳥桜から望遠鏡をのぞくと、そこは野鳥たちの楽園だ
 望遠鏡越しに、水辺の草むらをじっと見つめる。静寂。重なり合う葉の奥で何かがかすかに動き、さっと翼を広げ飛び去っていく。

 大きなガラス窓がはめこまれた小屋「観鳥楼」は、週末になると野鳥観察の人々でにぎわう。子どもたちが備え付けの望遠鏡で鳥たちの姿を探しては、息を詰め、視線を注ぐ。

 桂坂野鳥園は10年前、全国でも珍しい住宅地内の野鳥園として、宅地に接した山すそに不動産開発会社が開設した。昨年7月に京都市社会福祉協議会に寄贈され、現在は市洛西ふれあいの里保養研修センターが管理。名称も「遊園(ゆうえん)」と改められた。

 観鳥楼から見える池と周囲の植え込みは人工的に造られ、野鳥の住みやすい工夫が随所に凝らされている。水辺に群生するアシ、マコモなどは鳥が外敵から身を隠す場所。水面には翼を休めるための枝や岩が突き出している。岸にこんもりと茂ったクマザサは巣作り場、砂場はキジやコジュケイの砂浴び場だ。

 えさ用の畑や果樹もあり、園内(27万平方メートル)ではこれまでに92種もの野鳥が確認されている。恵まれた環境が、渡り鳥を含め多種多様な鳥たちを呼び寄せるのだという。

 「裏山にはハイキングコースもあり、最近は中高年の来園者が多い。子どもの環境学習にも一層役立つよう、新たな運営方針を練っている最中です」と同センターの窪田実さん。地元住民をまじえた会合では、「開園日数を増やして」などの要望も出たという。

 この季節、木々の間にはカワセミやオオルリ、ウグイス、ツグミなどが飛び交う。新緑のまぶしい園内は、人と自然との共生の場だ。

【2001年5月23日掲載】


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