探訪 京滋の庭
夕照の庭(大津市)
▼MEMO

文化と四季 表情 織りまぜ

夕照の庭
四季折々の風景が楽しめる夕照の庭
 滋賀県立図書館で「知」の好奇心を満たした利用者が建物沿いの小道を進む。木々の間から姿を現す大きな池と純和風の庭が重くなった頭脳を十分に和らげてくれる。

 県立の図書館、近代美術館、埋蔵文化財センターが集まる場所の一角に1984年に完成。庭園を含む一帯は「びわ湖文化公園」として、子ども広場や現代彫刻の展示場などもある都市公園になっている。

 夕刻の西日が庭園に映えることから、近江八景の一つ「瀬田の夕照」にちなんで「夕照の庭」と名付けられた。

 約2万平方メートルの庭園のうち約4800平方メートルは池や小川。庭石の半数以上は、県内の工事で出た石を使用。庭園内には茶室や休憩所などの複合施設「夕照庵」があり茶道裏千家の千宗室家元が設計監修したという。

 現在は紅葉も終盤に入り、落ち葉であふれた散策路は黄色交じりの赤じゅうたんが敷き詰められたよう。庭園にはケヤキ、梅の木、ハナショウブ、ツツジなど計1万4千本が池を取り囲んで植えられ、四季折々の表情が楽しめる。

 庭園を管理、整備する県公園緑地事務所主任専門員の石田勉さん(54)は「早朝には、近くの住民が庭園でウオーキングを楽しみ、昼は美術館などの公共施設の利用者が散策したり、弁当を広げています」と話す。

 ハナショウブの植樹帯のなかに設けられた木橋や小川の飛び石などもあり「きれいで楽しめます」と石田さんは胸を張る。

 庭園では春と秋に計3回、茶席を設けて利用者に振る舞うイベントを開く。また県が姉妹都市提携を結んでいる中国・湖南省の関係者や米・ミシガン州の交換留学生を招いて庭園を案内するなど、市民交流や国際親善の場としても利用されている。

 散策路をのんびり歩けば10分足らずで一周できる。文化の余韻にひたるにはちょうどよい場所だろう。

【2002年12月5日掲載】


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