Kyoto Shimbun 山野草
  キンミズヒキ  


若芽・葉はあえ物にも

photo
衣服などについて種が運ばれるので、ヒッツキグサと呼ぶ地方もある

 よく日の当たる山際の路傍や原野に生育する多年草。花穂が赤いミズヒキに似て、花の色が黄色なので名前がついたとされる。花の赤いミズヒキはタデ科だが、こちらはバラ科。草丈60センチ〜1メートルで7月から9月にかけて花を咲かせる。

 実にはかぎ状のとげがあり、衣服などについて種が運ばれるので、ヒッツキグサと呼ぶ地方もある。種と地下茎で繁殖し、年がたつと、だ円形の根茎が連結するように先へ伸びる。栽培する場合は浅い鉢に植え、日当たりを良くする。肥料はほとんどいらない。  

 春先の若芽や若葉は油炒めやあえ物、汁の実にするとおいしい。生薬名を竜牙草といい、夏の花の盛りのころ、根を含む全草を採り、水で洗ってこまかく刻み、日干しにする。  

 成分には粘膜を収縮する作用のあるカテコールタンニンやフェノール性配糖体を含む。下痢止めには乾燥した全草を煎じて、冷めないうちに飲む。煎じて、冷めてから1日数回うがいをすると、歯ぐきの出血を含め、口内炎によいとされている。  

(わち山野草の森・藤田 真)


▲掲載順もくじ▲  ▲50音順もくじ▲