Kyoto Shimbun 山野草
  ササユリ  


貴重な「和知の花」

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今や貴重となったササユリだけに、乱獲は許されない

 日本固有のユリで、近畿はじめ、中部、中四国、九州の一部に自生し、万葉の昔から親しまれている。

 奈良の率川(いさがわ)神社の三枝(さいぐさ)祭はササユリの花を神前に供え、ササユリの花を手にした巫女(みこ)が舞う。三枝とは生育のよいササユリの茎先が3本に分かれることから、ササユリの意味だ。

 東向きの傾斜地で草丈の高い草原や明るい半日陰の林に自生し、高さは60センチから1メートルほどになり、自生地により6月上旬から7月上旬にピンクの花を咲かせる。独特の芳香があり、球根は中型で、古来、食用にされてきた。

 自生の中には葉幅の広いものや狭いもの、白花などがあるが、栽培が困難なため育種はされていない。近年、ササユリ同士の種間交雑種ササタメが出回るが、ササユリの球根は市販されていない。

 ササユリは和知町の花だが、最近少なくなった。イノシシの食害や植林による自生地の日陰化、乱獲などが考えられる。今や貴重となった植物である以上、乱獲は許されないだろう。

(わち山野草の森・藤田 真)


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