Kyoto Shimbun
山野草
カンアオイ(寒葵)は、日本固有の植物で、高さは10センチほど。根元に花が咲き、種子ができるので分布する速度が極めて遅い。 和名の由来は、冬でも葉が緑色で葉の形がアオイに似ているためとされる。 根茎は短く、1年に1個ずつ節ができるため、多くの節がある。葉は卵形で厚く、濃い緑で白い斑(ふ)が入る。江戸時代からこの斑を観賞するため、盛んに栽培されてきた。 10月から翌年の2月にかけ、根元に直径約2センチの暗い紫色の花を咲かせる。生薬名を土細辛(どさいしん)、種子を細辛葵と呼び、地下根茎と根を陰干しにしたものを煎(せん)じて、せき止めに利用する民間療法がある。 カンアオイからとった精油には血圧降下や睡眠の作用のある成分が含まれ、山野草としてだけでなく、薬草としても注目される。 ギフチョウの幼虫は、カンアオイの葉を食べて大きくなる。言い換えれば、カンアオイの多い所ほどギフチョウが繁殖しやすいことになる。どちらも大切にしたいものだ。 (わち山野草の森・藤田 真)
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