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人生は自分との闘い 異国での差別はね返す 亀岡の街並みに心安らぐ 井手 秀美さん(元青年海外協力隊員・長野県) |
幾重ものトンネルをくぐり抜ける。京都からJR参院選山陰線に乗ると、馬堀駅を前に突然車窓に広がる田園風景、その向こうに瞬く暖かな街の灯、その瞬間、「ああ家に帰ってきた」と私は知らず知らず安堵するのです。私が亀岡に住んだのは、ほんの数年。でも「故郷」といえば、まずこの風景が浮かびます。
もう一度海外に行き、何か人の役に立ちたい。帰国後、現地で感じた自由な雰囲気を思い出し、青年海外協力隊に応募。中南米のコスタリカの大学に、ニュース編集指導のため赴任しました。 やる気満々だった私ですが、現地スタッフらが開いてくれた歓迎会は惨たんたるものでした。スペイン語はわかるものの話題にまるでついていけません。東洋人ということで差別的な言葉を浴びせる職員もおり、職場で居場所が見つけられずあせりました。指導に来たはずなのに、私は未知の遠い国から来た歓迎されざる客だったのです。 とけ込もうと必死でした。現地ではごちそうとして、驚くほど甘いバナナ、トカゲなどが出されますが、どんな食べ物、慣習でも笑顔で受け入れました。「お前は何しに来た」といったプレッシャー、「もう辞めて帰国したい」という弱気と闘いました。 今、あらためて思うのです、「人生は他人との競争ではなく、自分との闘いだ」と。こうありたい、という人生を実現するためには、闘うエネルギーにあふれていなければなりません。また、そんな人には必ず応援してくれる人が現れます。 通算4年半コスタリカに滞在。送別会では大勢の人たちと一緒に笑い、踊り、冗談を言い合って別れを惜しむまでになりました。 ふるさとは暖かく、離れるには不安もありますが、孤独になって手に入る自由もあるのです。新しい世界で人間関係を築くには相当なエネルギーが必要です。どれだけ人として魅力があるかが試されるからです。 今、私は40歳以上のメンバーによるシニアボランティアとして夫、二人の子どもと一緒に海外で働く準備を進めています。新しい世界に出たいみなさんも、迷わず第一歩を踏み出してください。(2002.1.27 掲載)
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