恋もした、バイトもした

  丹波の楽しい学生生活

   失敗恐れずチャレンジを


 松本 清子さん(松本医院院長・京都市)



 毎日、午前中は医院で内科・胃腸科の診察、午後からはバイクで地域を駆け回ってお年寄りを回診。介護に当たる家族にも助言や心のケアをします。二十四時間携帯電話が手離せない忙しさです。

「当時の京都学園大は先生と学生がアットホームに話せる雰囲気でした」と話す松本さん(7日・京都市伏見区深草の松本医院)
 丹波でも一人暮らしのお年寄りが増えていると聞きます。人は、いくつになっても楽しく過ごしたいもの。辺ぴな場所ではなく、赤ちょうちん、パチンコ屋さんがある町の中心にすてきなデザインの老人ホームを造ればどうでしょう。

 振り返ると高校卒業から三年間、毎日朝から晩まで文学、哲学書。本ばかり。好きだったのはヘルマン・ヘッセ。最後は読みたい本がなくなり、聖書を読みました。ありがたいことに、両親は何も言いません。

 ある日。ふと、「会社を興して経営者になろう」と、開学間もない京都学園大に入学しました。楽しい毎日でした。国鉄亀岡駅を降りると、商店街がにぎやか。改札口を出て左側にあったうどん屋さんがお気に入りでした。おしゃべりしながら力うどんを食べたものです。亀岡会館で開かれたちあきなおみコンサートの場内整備アルバイトも懐かしい思い出です。

 恋もしました。彼と保津の山あいをドライブ。初めて見たイノブタ、八木町の田んぼののどかな風景…。

 時効だと思いますが、大学は階段式の大教室。学年末試験で前の座席の友人の答案が目に入ります。ところが四年になって教職課程を取ったおかげで小教室に。そうはうまくいきません。本腰を入れて勉強したところ、思わぬ好成績。初めて「学問がしたい」という気持ちがわきあがりました。父は開業医。医者になろうとアルバイトの貯金で卒業後、予備校入学です。

 「勉強しなさい」と言われたことがなかった私。「勉強したい」という気持ちから、初めて机に向かいました。勉強、食事、勉強、勉強。わからないことがどんどんわかってくる。こんなに楽しいことはありません。

 無事、医大に合格。研修医を経て、父の後を継ぎました。医者になるまであちこちで見聞を広げさせてもらったおかげで、診察がマニュアル通りいかないこともわかります。

 若いみなさん。求めるものは必ず達成できる。そう信じてチャレンジしてください。学問も大切です、でも必要なのは遊び心。失敗を恐れず人生を楽しんでください。(2002.2.11 掲載)

 まつも・ときよこ  1948年長崎県生まれ。京都市で育つ。平安女学院高を経て70年京都学園大に入学、74年卒。75年金沢医科大に入学、81年卒。大阪医科大の研修医を経て83年に父の医院を継ぐ。現在、京都市の介護認定審査会委員も務める。京都市在住。

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