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沼地のメタンガスで実験 身近な不思議が研究の発端 渡辺 裕さん(愛媛大教授・松山市) |
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丹波町の実家近くにある美女山。母に弁当をつくってもらって須知小の1年から6年まで、近所の子どもたちと一緒に、よく遊びに行きました。 山の近くの神社に泥沼がありました。低学年の私たちに、6年生が不思議な現象を教えてくれました。水の詰まったビンを逆さにして沈め、引き上げてビンの口でマッチをすると「ボン」と大きな音をたてるんです。 正体は、沼の底からわいてくるメタンガス。水を押しのけて気体がビンにたまるんです。理屈はわかりませんでしたが、年齢差のある子ども同士で遊ぶ中、自然に科学的知識が身に付きました。この実験は何度見ても面白く、今も大学で学生に実演しています。
実家であった「薬の話」(講談社ブルーバックス)を高校生の時に読み、薬学部に進学。大学では、糖リン酸を化学的に合成し、細胞内の情報伝達を調べる研究を英国の研究者らと競争してきました。その原点が幼いころに集約されています。 6年の時に小学校が創立90周年。生徒会長として、講堂での記念式典で旗を手に歩きました。このころ、担任の片山先生が教室にフルートの吹ける女性を連れてこられ、演奏を聞かせてもらったことがあります。曲名もわかりませんが、音色がすばらしく、ずっと忘れられませんでした。 大学生になり、ショウウインドーでフルートを発見。思わずフルートを購入し、今も趣味のひとつです。ほしくても手に入らぬものといえば、不二家のチョコレートパフェ。ペコちゃんを見ると当時を思い出します。 須知高で数学を学んだ高屋家治先生(元北桑田高校長)はシャイで結婚を生徒に冷やかされる一方で、授業の進め方がユニーク。板書した問題を、生徒と一緒に考えるんです。通りいっぺんの解答を示すのではない方式が印象的で、私もこのやり方で講義しています。 今の大学生は、いい感性は持っているのに眠らせたままのケースが多く残念ですね。視点を変えて研究テーマを探せば、まち中にわからないことが転がっています。 面白いと感じられる体験が教育には大切。さらに指導者には、スライムなど、子どもの興味を引く実験でも「面白い」で終わらせず、子ども自身が「なぜ」と考えるきっかけをつくってあげることが大切でしょう。
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