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練習船航海にあこがれ 出会い思い 弾む心 広い世界に目を向けて 原 潔さん(神戸商船大学長・宝塚市) |
航海で何カ月も海にいると陸の良さがわかるんです。それは、みなさん何だと思いますか。
山に囲まれた丹波の摩気村(現園部町口人)が私のふるさと。1時間40分ほど歩いて峠を越え中学校に通いました。マラソン大会があると、必ず私たち摩気村東部の子どもが上位独占。始業前は、竹バットで野球に熱中しました。 「園部は天気予報で京都北部か、南部か」。中学で理科クラブ所属だった私は、疑問を抱き顧問の永井淳先生に質問。指導を受けながら友人2人と1年間、夏休みも午前10時と午後2時に学校の百葉箱で気温、湿度、風向などを調べました。 そのころ、手にした「アサヒグラフ」掲載の南洋の島々に遺骨収集に向かう練習船航海のグラビア写真に、海外へのあこがれをかき立てられ、神戸商船大だけを受験。父を早く亡くして苦しい家計でしたが、旧制中学を卒業後、高校進学をあきらめて働いていた兄のおかげで進学できました。 かつての「船乗り養成」のイメージから脱皮。七つの海を航海する何隻もの船を陸(船会社)から運航させる管理能力を持ち、世界の国を相手に生きる人材の育成。神戸商船大学の目標です。近年、パソコンの仮想航海だけで海がわかった気になる学生も出てきました。しかし、航海実習は必須。現実の海での体験と陸上で学ぶ理論が両輪となり、学生たちは伸びていきます。海外旅行は飛行機が主流ですが、日本の場合、海外貿易は99%以上が海上輸送。卒業生の活躍の場は、世界に広がります。 現在、国立大学の将来像が問われています。神戸商船大と神戸大は昨年7月、2003年10月に統合することで合意、調印。神戸商船大は新たな歴史をスタートさせます。残念ながら最近、ふるさと丹波からの入学生が減りました。神戸に足を運び、青い海が目の前に広がるキャンパスを見てください。大学は市民の共有財産。もっと気軽に散策できるようにしたいと考えています。 丹波の若いみなさん。ふるさとは気候、人情ともに穏やか。でも一度は広い世界に目を向けてはいかが。ふるさとの良さがもっとわかりますよ。(2002.2.17 掲載)
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