Kyoto Shimbun 1998.12.7「京都・より道スポット」

 松栄堂香房

 芳純な香り 工程も公開

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優雅な香りから、すてきな思い出も浮かんでくる

 ほのかに漂う香りが目印。御池通から烏丸通を北へ歩いていると、場所はすぐにも分かる。京の町家風の表玄関。創業293年の暖簾(のれん)をくぐると、芳純な香りがきゅう覚を心地よく刺激し、気分がゆったりとする。

 お香の博物館として、2階の香房を一般向けに公開するようになったのは、現在の社屋をリニューアルした1994年5月。手作りによるお香作りの様子をガラス越しに見られるほか、お香や香木の見本を手にすることができる。

 公開当初は、お香が登場する源氏物語ブームが追い風となり、中高年の主婦らの来場が目立っていたが、ここ2、3年の間は、修学旅行生も増えている。予約制ながら、年間で800人が訪れている。

 展示スペースには、調合前の原料がズラリ。マッコウクジラから採れる竜涎(りゅうぜん)香、シナモンの名で知られる桂皮(けいひ)、防虫剤としても使われる竜脳(りゅうのう)など、現物が約20点近くも並べられている。

 来場者は、ジャスミン、バイオレット、パイン、サンダルウッド、ローズといったおなじみの香りをかぎあてると、顔を思わずほころばせる。


 松栄堂香房  京都市中京区烏丸通二条上ル東側。香房の見学は月曜から金曜日の間(祝日は除く)。開館時間は、午前9時半―午後4時(正午―午後1時を除く)。入場は無料だが、1週間前までに予約が必要。団体(15人まで)に限る。
 電話075(212)5591。

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